新・ことば事情 3813
3813「端正ないでたち」
1月18日の「ミヤネ屋」で、元プロ野球巨人&阪神のエース、小林繁さん急死のニュースをお伝えしました。その原稿の字幕スーパーを事前にチェックしていたら、
「端正ないでたち、甘いマスク」
というものが。「端正ないでたち」って、あまり聞かないなあ。普通「端正な」と来ると、
「顔立ち」「容貌」「マスク」
ときますよね。でも、原稿(スーパー)はそのあとに「甘いマスク」と「顔(マスク)」を使っていたので、ここは仕方なく、
「端正なスタイル」
としました。
『広辞苑』によると、この意味での「たんせい」は、
「端整」
となっていて「端正」と使い分けをしていますが、『新聞用語集2007年版』では、
「端整→端正」
となっていて、新聞・放送の表記は「端正」に統一しているようです。
その日の夜、大阪出身の芥川賞作家・川上未映子さんの『ヘブン』(講談社:2009、9、1第1刷)という小説を読んでいたら、
「学年でスポーツが一番できて、成績も優秀で、誰が見てもきれいだと思うような端正な顔つきをしていた。」
というように「端正な顔つき」という表現が出てきました。やっぱり「端正な」のあとhが「顔」ですよね、普通は。Google検索では(1月19日)、
「端正な顔つき」= 27万7000件
「端正な顔立ち」=3600万0000件
「端正なマスク」= 28万7000件
「端正な容貌」= 14万2000件
「端正ないでたち」= 1870件
「端正なスタイル」= 7万9700件
「端整な顔つき」= 5万8800件
「端整な顔立ち」= 151万0000件
「端整なマスク」= 9730件
「端整な容貌」= 6万4900件
「端整ないでたち」= 72件
「端整なスタイル」= 9万9400件
でした。