新・読書日記 2010_003
『日本再生論~Re:boot Japan』(魏晶玄=ウィ・ジョンヒョン、エンターブレイン:2009、10、9)
会社の同期のI君が、このお正月に読んで「刺激を受けた」と勧めてくれたので、借りて読んだ。
著者は日本(東大)で10年勉強していたという「親日派」(だと思う)。その視点から、日本に欠けているものを提示。しかし「こうすれば日本は再生する!」という決め手をビシッと提示したものではなく、アイデアを羅列した感が・・・。読み進めば論が構築されて結論が出るということを期待して読むと、どこまで行っても散漫で、特に目新しいものはなかった。
それと、この本は著者が日本語で書いたのか、それとも翻訳か?と気になって奥付を見ると、「編集」という仕事で別の人間がついている。これは「語りおろし」なのだろうか?そのあたりが結構、気になった。「編集」の人は本の構成を考えただけなのか?
本では、これまでのような精密なインテグラル(一体型)の形のものづくりではなく、ある程度大雑把(臨機応変に対応できる)で目的・用途に合わせて形を変えてくっついて仕事のできる「モジュラー型」の仕事の仕方が必要で、それはブロックのおもちゃ「レゴ」にたとえられると著者は言う。しかし、「レゴ」は「一つ一つのブロックの規格が統一」されているから、自由にくっついたり離れたり大きさを変えることが出来るが、世の中、「レゴ」のようにみんなが「同じだけの能力という規格」が統一されていない。「レゴ」のようにするためには、選別をして選び抜かれたスタッフをそろえるのがまず大前提で、それが出来るなら、誰も苦労はしないのになあ・・・とため息をついたのだった。
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