新・読書日記 2009_245
『京都奈良「駅名」の謎~古都の駅名にはドラマがあった』(谷川彰英、祥伝社黄金文庫:2009、10、20)
著者は筑波大学の教授・副学長を経てノンフィクション作家に転じ、地名の「探求」を続けている。前に、同じ祥伝社黄金文庫から出ている著者の本である『大阪「駅名」の謎~日本のルーツが見えてくる』(2009、4、20)を読んだが、大変勉強になった。今回はその「京都」「奈良」の「駅名」編。うしろにちょこっと「神戸」の駅名も出てくる。オマケか。
これも「へえー」と思うことの連続で、大変おもしろかった。
著者は長野県出身ということだが、長野の「安曇(あずみ)」と滋賀県の「安曇川(安曇川)」とのつながりや、「当麻寺」の「当麻」は、なぜ「たいま」と読むのか?なども興味深い。これは実は、昔は「たぎたぎしい(古語で「でこぼこのあるさま」)」から来た言葉で「当岐麻(たぎま)」だったのが「ぎ→い」に転化して「岐」の字が脱落したので「当麻」になったとか、とにかく、「地名」もそうだが「駅名」も、結局その土地の「歴史」に触れることが出来る(「歴史」そのもの!)だけに、奥が深いのだ。「平成の大合併」で、そういった地名の多くが消えてしまったのは、返す返すも愚かな行為だった気がします。
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