新・読書日記 2010_011
『兇弾』(逢坂剛、文藝春秋:2010、1、10)
禿鷹シリーズ第5弾。前作で死んだはずなのに・・・いやあ、久々に一気に引き込まれるハードボイルド・ピカレスク警察小説、一晩で546ページ、読んでしまいました!おもしろかった!禿鷹シリーズでも一、二を争うんじゃない?
ちょっと気になった表現と言うと、
「ハナキンという古臭い表現に、もう少しで吹き出しそうになる」(110ページ)
たしかに今どき「ハナキン」は死語でしょうが、わざわざ使うところが、何でかな?
『嵯峨俊太郎はすぐに応じた。「きみがぼくにほの字だな、と解釈しただろうね」』(127ページ)
の「ほの字」、いまどき20代の若者(登場人物)は言わんだろ。「カギカッコ」も付けずに。私も使いません。そして、
「今どき見かけない、切手のコレクション」(291ページ)
いいじゃん別に、切手をコレクションしていても。と、ここでハッと気付いた。逢坂さんはこういった自虐的な書き方をすることで、実はこういったことを好む自身の趣味・傾向をあらわしているのだと。
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