新・読書日記 2010_014
『沖縄・久米島から日本国家を読み解く』(佐藤優、小学館:2009、10、6)
タイトルが示すユニークな視点と、読み解くという言葉にひかれて購入、ちょっと難しそうなので、お正月休みにゆっくり読もうと思っているうちにお正月休みが終わってしまい、やっと読めた。
冒頭、ロシアでの話が出てきた。それは、著者の母の故郷である沖縄・久米島からの視点で考え書くことになったきっかけの説明なのだが、そのことを忘れさせるような興味深い話でもある。
一方、本のなかば(この本のキモは、実は"ここ"なのだが)、沖縄の文献を引っ張りだしてきて解説・説明している部分には、あまり興味を持てなかった。
ただ、もしかしたらこれの参考になるのではないかと思ったことがある。久米島は、その歴史の中で、中国と日本という大国のはざまで如何に自主自立ということを考えていたかということである。これが「橋下・大阪府政」との関連で気になったのだ。
というのも、これまでは、橋下大阪府知事の過激な道州制や伊丹空港廃止論などに嫌気がさしていたのだか、正月の「大阪府知事メルマガ」を読んでいて、橋下知事の考え方が少し分かったような気がした部分があるからだ。知事の主張が、たんなる道州制や地方分権をいうだけなら「何を言うてんねん」という感じだが、実は橋下知事は、「関西州の日本からの独立」を考えているのではないか?それはオーバーにしても、「合衆国型への国の改革=連邦制」を考えているのではないかと思ったからだ。
もちろん来年とか再来年という短いスパンでの視野ではなく、20~30年先を見据えたものだが。そうすると橋下知事の目論みは、クーデターというか革命に近いものではないか?そう言えば、メルマガのタイトルは「維新通信」。以心伝心のだじゃれでもあるだろうが、海外から見た明治維新は「市民革命」らしいから、知事のいう「維新」も「革命」なのではないか。そんな考えが、本書とつながった。