新・読書日記 2010_017
『うつから帰って参りました』(一色伸幸、文春文庫:2009、10、10;単行本はアスコムから2007、10)
新年2冊目に読んだ本。(読書日記を書くのは遅くなりました。)それが「うつ」ですわ。時代を反映しています・・・。
脚本家として知られる一色氏だが、「うつ」に陥っていたとは知らなかった。真面目な人ほどかかりやすいとか。思いつめてしまうのね。一色氏が「ライバル」と思っていたのは同じく脚本家・作家の野沢尚氏。彼は・・・自殺してしまった。大きな喪失感があったろう。
文章を読んでいると、どこかやっぱり「作っちゃってる」感じがある。このエッセイ、構成がしっかりしているのだ。ドラマの脚本みたいに・・・。当然と言えば当然なのだが、それが少し「わざとらしさ」を感じさせたり・・・。いわゆる「ええかっこしい」なんでしょうな。だから、その背伸びした分が辛くなってくることがあるのでは?
一色氏は本の中で、「うつ病は心の"がん"だ」と言う。ドキッとする。一般的に「うつ病は心のかぜ」と軽く言われるが、そうではないと力説。なるほどと思う。でも「がん」も、「うつ病」も、"直る病気"になっている、そういうことを言いたいのじゃないかな。
あとがきで、「久米島」に潜りに行くとあった。それを読んで、佐藤優の『沖縄・久米島から日本国家を読み解く』を読もうと思ったのでした。読書って、なんだかつながっていますね。
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コメント
実は、私も現在メンタルで休職中です。
一時は本も読めない、TVも見られない、音楽も聴くのがつらい、といった時期を過ごしましたが、ずいぶん良くなりました。
そろそろ復職しなければいけないのですが、なかなか踏ん切りが付きません。
「うつは心の“がん”」という一言に興味が湧きました。
読んでみたいと思います。
投稿者: むぎた 日時:2010年02月08日(月) at 01:56