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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_012

『「を」「に」の謎を解く』(竹林一志、笠間書院:2007、6、30)

本書を読んで、タイトルの「を」と「に」の謎は解けなかった・・・。ただ、いろいろヒントは与えてもらった。

それにしても、論文は読みにくいし分かりにくい。悪文の見本のようだ。もっとわかりやすく噛み砕いて書けないものか?わざと、わかりにくくしていませんか?

私が期待していたのは、後ろに来る動詞が漢語で、意味を複合するケース、たとえば「参拝する」「放火する」などの前の助詞が「を」か「に」か。答えは、「参拝する」は「を」「に」どちらも可だが、「放火する」は「に」だけ。それなのに逆に使う人が増えているのはなぜか?という問題だが、それに関しては書いてなかったなあ。

用いられ方の違いは、助詞『に』に意味があるのではなく、そのあとに続く動詞の意味用法に違いがあるのではないか?「を」は移動の起点、移動の経路、動作・行為の対象。『「穴を掘る」型表現の本質」がおもしろい。「湯を沸かす」「本を書く」などは、その動作をスルコトによって生成されるものを、最初にもってきているので、アタマが固い人には「使い方がおかしい」となるのだろう。でも私も「波紋を投げかける」は、ちょっとおかしいと思う。アタマが固いのか?

 

 


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(2010、1、14読了)

2010年1月17日 16:11 | コメント (1)

コメント

久しぶりにこのサイトを訪れました。以前は毎日のように「ことば事情」を愛読させていただいてましたが、体調を崩してからいつの間にか忘れてました。私は最近「が」・・・「体言止め」が気になっています。「新しいソフト○○が公開」などの文章です。明らかに文末の「~される」が省略されています。本来○○は受動側であるものが、読み方によって能動側にも読めます。これは文章表現として正しいのでしょうか?気になって仕方ありません。

投稿者: むぎた 日時:2010年01月25日(月) at 22:53