新・読書日記 2010_023
『全国まずいものマップ~清水義範パスティーシュ100三の巻』(清水義範、ちくま文庫:2009、2、10)
30年前に読んだ筒井康隆を思い出した。しかし、筒井康隆は天才的にハチャメチャだが、清水は秀才的、計算されたハチャメチャのような気がする。それに、だんだん正気からずれていって、気付いたら「ホラ」(ホラーではない)の世界に連れていってくれる感じ。常に具体的な現実に対する批判というか、そう、クリティカルな視点を、ワイドショー的に持っている感じがする。筒井は具体的な現実のようでいて、もっと哲学的な、人間の根源のようなものについて、ハチャメチャやっていた気がする。
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