新・ことば事情 3799
「『おいでやす』と『おこしやす』」
今年の秋に行われた関西地区の用語懇談会の懇親会は、大阪駅前ビルの地下の「京都風」の居酒屋風料亭(?)で開かれました。その席で毎日放送の用語委員のT氏が、
「京都では、店がお客を迎えるときの言い方は、客によって『おいでやす』と『おこしやす』を使い分けるんですよ」
と教えてくれました。
「え!そうなんですか?どう使い分けるんですか?」
と聞くと、
「なじみの上客には『おこしやす』、普通のお客さんには『おいでやす』です」
とのこと。えー!そうなの?知らなかった!
ちょうどその時に読みかけていた本が、『KYOのお言葉』(入江敦彦、文春文庫)という本。急いで目次を見てみると、まさにその、「おいでやす」が載っているではありませんか!しかも、読んでみるとそこには
「『おいでやす』には、より丁寧な表現に当たる『おこしやす』があることは意外と知られていない。というか、よそさんは同じだと思っている。まして、さらに最上級敬語である『おこしやしとくれやす』なんてものが存在しているとは考えもしない」
とあるではないですか!
そ、そうなのか!・・・うーん京都、奥が深い。深イイ話でした。
ちなみにその「京風居酒屋風料亭」に我々が入ったときに、お店の女性店員さんたちは、
「おこしやすぅ」
と言ってくれました!
そうそう、来年は1月4日がスペシャル、6日から通常放送の「ミヤネ屋」、
「ご覧になっておくれやしとくれやす」
アタ。舌、カンダ。