新・ことば事情 3795
「『スクープ』が言えるために」
海原ともこさんは、「スクープ」という言葉がちゃんと言えない。すぐに、
「スプーク」
になってしまう。どうしたら言えるようになるのか?と、浅越ゴエさんからインタビューを受けました。普通アナウンサーは「インタビューをする」方なので、「受ける」のは結構珍しいのですが。その模様は2009年3月19日の『なるトモ!』で放送されました。ああ懐かしい、『なるトモ!』。
どうやったら言えるようになるかの前に、
「こういった音が逆になってしまうのは『音韻転換』と言って、結構よくあることなのです」
と説明した後、私が答えたのは、「スクープ」という4音節で言おうとせずに、
「scoop」
という「英語」をイメージして「1音節で」言ってしまう、その際にカタカナを意識せずに英語で言うようにする、というのが第1案。
第2案は、「スクープ」を続けて言おうとしないで、
「巣・食う・プ」
という漢字と平仮名・カタカナをイメージして「3分割して言う」という方法です。特に「食う」を意識すると言えるのではないか、と答えました。すると朝越ゴエさんに、
「最後の『プ』はなんですか?」
と聞かれたので、
「まあそれは『おなら』でもイメージしたら、どうでしょう」
と答えたら、確かそのまま放送されました。きたねえー。
で結局、海原ともこさんは「スクープ」と言えるようになったのか?と言うと・・・・
やっぱり、ちゃんとは言えなかったみたいです。大分、言いやすくはなっていたようなんですけど。それより出演していたみんなが、
「ちゃんと言えたら、ともこらしくなくて、おもろないやん」
と言っていたので、一体この企画はなんだったのだろうか?と思いました。
今年の3月の出来事だったので、今年のうちに「年忘れ」で書いておきます。
コメント
この言い間違え(頭音変換)は英語でspoonerismといいます。オックスフォード大学の学寮長だったWilliam A Spooner(1930年死去)がこの手の間違いをたくさんしたそうです。
例としては「かえやはを退治しましょう」「コンデルスゾーンのメンチェルト(内田百閒)」などが思い浮かびます。
投稿者: 小駒勝美 日時:2010年04月06日(火) at 16:50