新・読書日記 2009_236
『落語・昭和の名人決定版26三代目・桂三木助~芝浜・へっつい幽霊』(小学館:2009、12、22)
今年1月から2週間に1冊のペースで1年かけて刊行してきたシリーズも、これで打ち止め。この先代の桂三木助は、初めて聞いた。「芝浜」は端正で、声がいい。江戸っ子、歯切れ良く、リズムが良い。
「妙な"しも(紐)"だなあ」。江戸弁ですね、「ヒ→シ」。
日の出の色の表現が卓抜。また、「しも(紐)」が、
「長い間水に浸かってぬるぬるしてる」
というのは、リアルな表現。
「はなあ、おりゃ魚だと思ったんだ。」=「はな=端=最初」。この辺りも江戸っぽく生きが良い。
「七十(しちじゅう)両」と。「ななじゅう」ではなく。
踊りの師匠になったり博打にはまったり、かなり波瀾万丈であったようだが、上方の名跡であった「三木助」の三代目を襲名したのが48歳。その年に仲子と結婚。58歳で胃がんで死去。
それにしても横顔が、桂小春団治さんにそっくり!!
star4_half