新・読書日記 2009_234
『美人好きは罪悪か?』(小谷野敦(とん)、ちくま新書:2009、6、10)
『もてない男』の衝撃以来、気になる書き手であったが、その後は、「何となく合わない感じ」であったので、それほど積極的には読んでいなかった。今回、表紙に、
「この本の表題『美人好きは罪悪か?』だが、実際には、美人とは何か、という問題は、一つのまとまった問題としては存在しない」
と抜き書きしているように、この本は「美人論の本」だ。そこかしこに著者の素直な気持ちが吐露されているが、それはすなわち、社会的には"毒舌"と言われるたぐいで、そこまで書いていいの?という感がある。そういう意味では"異端の学者"だったのだなあ。だから大学を辞めて文筆業一本になったのかな。大学という枠の中では窮屈だったのだと推測します。しかし博識。勉強になりました。
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