新・読書日記 2009_227
『テレビ局の裏側』(中川勇樹、新潮新書:2009、12、20)
著者は制作会社でディレクターなどを経験したベテラン、らしい。
書かれていることは、テレビ局の"裏側"というより"内側"なので、その"内側"にいる私にとっては、目新しい話はあまりなかった。
結局、この10年あまりテレビ局が進めた「メディア・リテラシー」は、視聴者を賢くしたのではなく、どちらかというと"賢くなく"したのではないか?アイロニカルにしてしまったのは、皮相的なメディア・リテラシー教育だったのではないかという気持ち。
また、古き良き"ええ加減"が許された時代が、この10年で終わったたことは、時代の変化と表裏一体であると。スポンサーサイドや行政、視聴者から、やいのやいのと槍玉に上がるようになったことは、何だかんだ言って、まだテレビの影響力が強いからだとも、言える。
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