新・ことば事情 3757
「またたく」
目をぱちぱちする「またたく」は、漢字で書くと「瞬く」ですが、なんとなく、それを分解してみました。すると、
「ま・たたく」
となって、この「ま」は「目」であろうと、急に気付きました。つまり、
「目をたたく」
から、
「目(ま)たたく」
「目」を古くは「ま」と言ったのでしょう。ですから「まつげ」「まゆげ」「まのあたりに(目の当たりに)」「まぶか(目深)」「まなこ(眼)」(「な」は、「の」の意味。「きな粉」「水面(みなも)」の「な」に同じ。「こ」は接尾語でしょう)といった「ま」の付く「目」に関する言葉がたくさん残っています。
ここまで推測してから、『精選日本国語大辞典』を引きました。
「またたく(瞬)」=(「目(ま)叩(たた)く」の意。古くは「まだたく」とも)
としっかり書かれていました!やっぱり!
それにしても、古くは「まだたく」と「連濁」していたんですね。知りませんでした。これっておもしろいですね。なぜかと言うと、「連濁」というのは複合語においてその二つの語の結びつきが強くなってよく使われることで、後の語が濁るのですが、それがさらによく使われていくうちに、また濁りが取れることもあるんですね。
うーん、奥が深い現象です。
ついつい、目をパチクリと「まばたいて」しまいました。