新・ことば事情 3753
「列車風」
久しぶりに大阪の「難波(なんば)」に行きました。(心斎橋までは行くんだけど、なかなか難波まで行かないんですよねえ・・・。)「ロケット広場」のロケットが撤去されたという新聞記事を見たこともあって。確かにロケットはなくなっていました。
「ロケット広場」と言えば、なんばの「待ち合わせ場所」の定番だったのですが、最近はケータイの普及で「待ち合わせ」が減ってきているとか。つまり、
「ロケット広場のロケットの前で2時に」
「梅田のビッグマン(街頭テレビスクリーン)の右側の前で3時」
といった待ち合わせが減って、
「2時ごろ、梅田界隈で。近くまで来たら電話して」
というような、大変「アバウトな待ち合わせ」が増えたために、「待ち合わせ場所」の「目印」が必要なくなって来ている、というのです。そう言われれば、そんな気がしなくもない・・・。
さて、その「難波」。地下鉄・御堂筋線の駅で降りて、南海電車の方へ行こうと、階段を登ろうとしたときに、ホームの一番端の壁に貼ってあったポスター(というか、プラスティックの看板みたいなもの)に目が留まりました。そこには、
「列車風に注意」
と書かれていて、漢字には、
「れっしゃふう」
と振り仮名が振ってありました。「れっしゃかぜ」ではなく「ふう」!初めて目にしました、「れっしゃふう」。専門用語なんでしょうか?地下鉄が、ホームからまた軌道のトンネルに入る際に巻き起こる風のことでしょう。確かに「風圧」を感じますね、地下鉄は。
でも「~風(ふう)」というのは、ふだんは、
「~のような」
の意味で使いますね。もしかしたら、
「列車風の汽車にご注意」
とか、
「列車風の電車にご注意」
とか、
「一見、列車風の自動車にご注意」
とか、そんな「ふう」に使われたりして。なんだかそんな「ふう」に聞こえかねないですね。