新・ことば事情 3750
「塩芋けんぴ」
先日、出張で高知に行ったお土産に、
「塩芋けんぴ」
なるものを買ってきました。「芋けんぴ」は高知の特産品なんだそうです。何度も高知に行っているのに、知らなかった!
普通の甘い「芋けんぴ」もあったのですが、「塩」というのが珍しいので買って帰りました。で、家で開けて家族で食べると・・・・・・家族いわく、
「甘くない」
「おいしくない」
たしかに・・何か期待はずれ・・・「でも!」と思ったのです。
「『芋けんぴ』だと思って食べるから、甘くなくておいしくない、つまり『期待はずれ』だが、『ちょっと変わった形のポストチップスだ』と思って食べると、うまい!」
のです。その旨、家族に言ってみて食べたところ、家族も、
「ポテトチップスだと思えば、うまい」
というのです。
おもしろいなあ。形状から期待される味、というのがあるのかなあ?「視覚」と「味覚」の関連付けと、その枠組みから味覚が逸脱した場合の感覚というは?このあたり、おもしろいですよね。だれか、ぜひ調べてみてください!
ところで、「芋けんぴ」の「けんぴ」ってなんだろう?
「乾皮」
なのかな?辞書(『精選版日本国語大辞典』)を引いてみると、どうやら、
「犬皮」
のようです。ええ!犬の皮?
「犬皮」=(2)干菓子の名前。小麦粉に卵、砂糖などをねりあわせてのばし、短く切って両面から焼いたもの。「松風」の一種で、土佐国(高知県)赤岡の名物。
として、文献は何と15世紀!600年前には既に土佐の名物だったのですね、「犬皮」は!「小麦粉」の代わりに「お芋」を使うから「芋けんぴ」なのか!?それにしても「犬の皮」かあ・・・・ちょっと複雑な感じがしました。平仮名で書いたほうがよさそうですね、「けんぴ」。「県費」ではありません。
コメント
ニックネーム 芋健二でーーーーーーーーーーす
投稿者: 宮本健二 日時:2010年12月11日(土) at 13:18