新・読書日記 2009_203
『無印ニッポン~20世紀消費社会の終焉』(堤清二・三浦展、中公新書:2009、7、25)
堤清二さんの話は聞いてみたいと思ったが、三浦展さんは「もういいかな」と思って手に取らなかったのだけど、実は三浦さんは、もともとセゾングループの「パルコ」に就職していた。つまり当時だと「社長と新入社員(平社員)」、まったく接点がなかった、「天と地」ほど社会的身分に(年齢も)差があったのに、2009年の今、こうして対等な立場で「対談」できるなんて、凄いことだなあ、時代の流れと言うものは・・・と感じて手に取って見たら、これが、なかなか!
「これ『が』いい」の時代から「これ『で』いい」の時代へ、そのさきがけが「無印良品」の「思想」であったと。時代を「半歩」どころか二・三歩先に行き過ぎていた堤清二=セゾングループの、一つの栄枯盛衰のようなもの、そのバックボーンを知るのに恰好の一冊。しかもそれは、高度経済成長の後の日本の姿を映し出すものと言える。
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