新・ことば事情 3747
「自作自演と狂言」
大阪・中之島で起きた「殺人未遂事件」、実は届け出た会社員の「ウソ」の申告であったことが分かったという記事が、2009年11月5日の朝刊各紙に載っていました。その見出しは
(読売)中之島の刺殺は会社員のウソ
(朝日)「刺された」虚偽申告容疑
(毎日)殺人未遂は自作自演
(産経)キタの殺人未遂事件虚偽申告で書類送検
(日経)「刺された」とウソ申告の疑い
本文では、
(読売)「男に刺された」とうそを言ったとして
(朝日)申告がうそだったとして
(毎日)男の自作自演だったとして:「とっさにうそをついてしまった」
(産経)うその被害申告をしていたことが分かり
(日経)うそを申告したとして
「自作自演」を使ったのは毎日新聞だけでした。「狂言」は1社もありませんでした。
また、見出しではカタカナの「ウソ」が2社、平仮名の「うそ」は0社。本文では、カタカナの「ウソ」は0社、平仮名の「うそ」が5社(全社)と、見出しと本文で「ウソ」と「うそ」を使い分けしているようですね。