新・ことば事情 3729
「空気清浄機のアクセント」
ダイキンの「空気清浄機」のコマーシャルを放送していました。その際にCMの男性ナレーターは、
「クー/キセージョ\ーキ」
というふうに「コンパウンド」させた「中高アクセント」で読んでいました。それを聞いて私は「おや?」と思いました。私なら、
「ク\ーキ・セ/ージョ\ーキ」
と、2語に分けて読むと思ったからです。コマーシャルを読む人はこの「空気清浄機」というものに慣れているので、コンパウンドさせたのでしょうか?
「空気清浄機」自体のコンパウンドは、私にとってはまだ「許容」です。しかしちょっと気になったのは、今後の傾向です。「空気」は単独ではもちろん
「ク\ーキ」
と「頭高アクセント」ですが、今後もしかしたら「空気清浄機」の「くうき」の部分のアクセントと同じになって、
「ク/ーキ」
という「平板アクセント」になるのではないか?という危惧です。結構、ありうると思います。「国土交通省」が2001年1月に出来た頃は、みんな、
「コ\クド・コ/ーツ\ーショー」
と2語に分けて読んでいたのに、いまやみんな、
「コ/クドコーツ\ーショー」
と「中高アクセント」になっています。その次のステージはどうなるのか?ということです。普通は、
「国交省(コッ/コ\ーショー)」
と省略形になりますが、もしかしたら、分離した1語1語のアクセントにも影響を与えるのではないか?
そのほか、20年ぐらい前には「そんなアクセント、ヘンやろ」と思っていたものが、現在、かなり使われています。たとえば「とりあえず」のアクセントは、
「ト/リア\エズ」
しかないと思っていましたが、20年ほど前に、これを「平板アクセント」で、
「ト/リアエズ」
と言う奴が出てきたのを覚えてますが、現在このようにしゃべる奴が、少なからずいます。
それと同じことが「空気」でも起こるのではないか?関西はあまり起こらないでしょうが、東京は危ない。「空気」だけに「感染」します。
(2009、10、23)