新・ことば事情 3702
「弔問に訪れる」
10月5日の「ミヤネ屋」の原稿をチェックしていたら、Hディレクターから、
「原稿に『中川氏の弔問に訪れた鳩山総理』というのがあったのですが、『弔問に訪れた』は重複していませんか?」
と質問が。辞書を引いてみると、確かに「弔問」は、
「死者の遺族を訪問してくやみを言うこと。弔慰。」(『広辞苑』)
とあり、実際に訪ねて、お悔やみを言うことです。つまり「弔問に訪れる」は厳密に言うと「重複表現」でしょう。ただ、『広辞苑』の「弔問」の意味の中に、
「弔意」
ともあったことからも、「弔問しました」だけだと「訪れた」というニュアンスが弱く感じられるために、「訪れました」を付け足したくなる気持ちも分かります。
今回は「弔問に訪れる」は「許容」ということにしました。今後、「弔問に訪れる」という表現に注目していきたいと思います。