新・読書日記 2009_153
『「村山談話」とは何か』(佐高信・村山富市、角川ONEテーマ21:2009、8、10)
このところ世の右傾化の中で、「村山談話」が諸悪の根源のように言われることがあるようだ。すでに「歴史」になってきている「村山談話」に関して、佐高氏が改めてご本人のトンちゃんこと村山富市・元首相の口から聞いていく。
民主党が政権をとり、自民党が16年ぶりに下野した今、あらためて16年前の連立政権はどういうものだったのかを当事者の口から聞くという意味でも、なかなか勉強になる本。私は、社会党が自民党と手を組んで「自社さ」政権を組んだときに、陸海空の自衛隊の長に社会党委員長が就いたことをさして、
「眉ひとつ 動かさずして 回れ右」
という川柳を作ったことを覚えているが、動かさなかったようにみえた眉の苦悩、なぜ「非自民連立」を組めなかったのか?についても書いてある。
今回も民主政権樹立の陰の力を持っている"あの人"があの時も、「社会党」と組んでいる「さきがけ」とは組みたくないので、自民党から海部元総理を引き抜いて、「非自民」の首班指名候補とした。それで首班指名は「勝てる」と踏んだのだが、結果は自民票が、連立の約束をした社会党・村山に流れ、「海部首班指名」の目論見が崩れ去り、変則的な「自社さ」政権が成立してしまったようだ。「自社さ」の連立の変則性に比べれば民主・社民・国民新党の連立は、それほどおかしいとはいえない気がするのは、私だけだろうか。
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