新・読書日記 2009_132
『2011年新聞・テレビ消滅』(佐々木俊尚、文春新書:2009、7、20)
2009読書日記128で書いた『新聞・TVが消える日』(猪熊建夫、集英社新書)に比べると、こちらの本の方が、テレビ関係者である私にとっては、より身近に「フムフム」と読み進めることができた。
テレビは「"マス"メディア」から「"ミディアム"メディア」になってしまうのか?(その可能性は十分あると感じた)そして、メディアを「コンテンツ・コンテナ・コンベヤ」と分けた場合、問題は「コンテナ」部分だと。「プラットフォーム」とも呼ばれるこの部分を握るものが、果実の多くをとることが出来るのだと、著者は説く。「コンベヤ」になると「地主から小作人の立場」になるということだと。つまり取り分が劇的に減るということ。そして今後その「コンテナ(プラットフォーム)」になり得るのは「STB(セット・トップ・ボックス)」ではないかと、最新の情報もまじえながら説く。このところ、『週刊ダイヤモンド』とか『東洋経済』『日経ビジネス』とかの経済誌で書かれていたメディア関係のどれよりも、現状分析が出来ていたように思った。
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