新・読書日記
2009_90
『テレビの青春時代』 (今野 勉、NTT出版:2009、3、30)
今野さんはこれを、古巣TBSが出す「調査報道」という専門雑誌の中で連載していた。それをまとめたものだが、業界人にとっては正に「生きた歴史」であり、興味深い。入社した昭和30年代前半から、日本で初めてのテレビ番組制作会社「テレビマンユニオン」を結成してTBSを退社するまでのことが記されている。正に今野さんの青春時代の話であり、それはすなわち「日本のテレビ(局)の青春」でもある。タイトルに偽りはない。今書いておかなければ・・・という意識も、どこかにあったのだろう。
テレビ関係者には必読の書だと思うが、一般の人にとっては、ちょっと専門的過ぎて、付いていけない(興味がわかない)かもしれない。
テレビ関係者には
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2009、5、7読了
2009年5月18日 14:41
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新・読書日記
2009_95
『切手が伝える仏像~意匠と歴史』 (内藤陽介、彩流社:2009、4、28)
美しいカラー写真満載の一冊。博覧強記・切手博物館副館長の内藤氏の博識ぶりには舌を巻くしかない。彩流社の「切手で知ろうシリーズ」の第6巻。新刊発売と同時に、内藤さんから送ってもらった。いつも、ありがとうございます。
仏教、やはり奥が深い・・・と一言で言うのは、「よくわからないという意味だ」と言われるが、それでも、やはり奥が深く深くフカーイことは分かる。そして、切手が美しい。
*"オーム・マ・ニ・パド・メ・フーム"
という言葉は「オーム、宝珠と蓮華よ、幸いなれ」の意味だそうだが、ラテン語のミサの歌詞に似ている気がする。
*二人の童子を従えた「三尊」の形式が多いと、84ページに。これって「横綱土俵入り」にも応用されているのでは?
*65ページの「二十五菩薩」に関する記述で、
「いずれも、信徒たちに極楽浄土の素晴らしさを可視化するためのものであった」
と、内藤さんも「可視化」という言葉を使ってらっしゃいました。
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2009、5、21読了
2009年5月26日 15:56
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新・読書日記
2009_94
『街場の大阪論』 (江 弘毅、バジリコ:2009、3、18)
著者は12年間、雑誌『ミーツ』の編集長を務めた、岸和田出身の編集者。キーワードは「街場」。平仮名の「まち」でも、「町」でもない、「街」であり、「ムラ社会」でも「都会」でもない「街」の重要性を説いている。また、テレビのいわゆる「情報番組」の空虚さも指摘。耳が痛い。
吉本・コナモン・コテコテ・阪神タイガース的"ステロタイプの大阪"に異義を唱えるのは私も同感。大和川より南は、(阪神)タイガーズと違うでしょ、やっぱり「南海ホークス」やで!しかし、「ミーツ風」というより「ミーツそのもの」のオシャレ文化文体は、わかりにくくて読みにくい。もっと読者主体の読みやすい文章の方が、わたしは好きだ。"ええかっこ"してる感がある。それを好む人もたくさんあるのだろうが...。
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2009、5、23読了
2009年5月26日 15:54
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新・読書日記
2009_92
『先賢諸聖のことば~直筆の格言・名言コレクション75』 (思文閣・田中大、PHP研究所:2008、8、1)
著者は、某局の 鑑定番組でおなじみの名鑑定士らしい。思文閣という京都の骨董屋さん。見開きで「書」の写真が載っている読みやすい一冊。値段も書いてあるし。
書画家の須田剋太の、
「五十や六十 花なら蕾」
という書は、相田みつをみたいだった。須田は司馬遼太郎の『街道をゆく』の挿絵を担当したそうです。また、周布(すふ)政之助という幕末の長州藩士の書の、
「たとえ報いの少ない仕事であったとしても、それが社会の一部を支えるものなのだという強烈な自負心をもち、責任を遂行する。自分を欺かず、心をゆたかに保っていれば、十万の兵士は準備万端、ここぞという場面でものをいう」
というのは大変共感しました。かくありたい!・・・・65万円、か・・・・。
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2009、5、10読了
2009年5月22日 15:39
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新・読書日記
2009_89
『47番の投球論』 (工藤公康、ベスト新書:2009、3、20)
今年5月5日に46歳になった工藤投手。これだけ長く、「投手」というポジションで現役プロ野球選手を続けている、続けられているヒミツが、一体どこにあるのか、興味が沸いて購入。おそらく「語りおろし」だと思われるが、興味深く読むことができた。
印象に残ったのは、
「『継続は力なり』と当たり前のように言われていますが、実は重みのある言葉であり、わかってはいても実行するとなると難しいことだと思います」
という一文のほか、いかに投手が頭を使って考えてプレーしているかということ。
「ここまで書いてしまって、まだこれから他球団の打者と対戦するのに、いいのかな?」
と思うぐらい、あけすけに書かれています。
また、夏場を乗り切るスタミナ・疲労回復メニューとして紹介されている「大根が水がわりの豚シャブ」は、是非一度、食べて見たいと思った。
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2009、4、30読了
2009年5月18日 14:12
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新・読書日記
2009_88
『三匹のおっさん』 (有川 浩、文藝春秋:2009、3、15)
青春モノ。ライトノベル。最近この手の本を好んで読んではいなかったが、時々混じって入ってくる万城目学なんかもこの範疇か。青春もの、なんだか楽しい。著者=有川浩(ひろ)は、ご存知だとは思うが、女性。ファッションに関して詳しく記している感じがする。主人公をじいさん(60歳を「じいさん」というのは、今どき違うと思うのだが)としたのもおもしろい視点。この小説に出てくるのはじいさんと若者がかっこよくって、中年がだらしないなあ。昔『三匹の侍』というドラマがあったが、それをイメージしたのかも。しかし、彼女の年代で知っているのか?
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2009、5、4読了
2009年5月18日 14:10
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新・読書日記
『シモネッタの本能三昧イタリア紀行』 (田丸公美子、講談社:2009、3、17)
「イタリア語通訳歴40年、イタリア恋わずらい歴40年の著者」と帯にある。ご存じ、シモネッタこと、イタリア語通訳の田丸公美子さんが、ローマ・ミラノ・ボローニャ・ルガーノ・ナポリ・ヴェネツィア・ヴェネト地方・ブレンタ運河・フィレンツェ・シチリア・マテーラ・ペルージャをご紹介。『月刊現代』に 2007年10月から2009年1月号まで、連載されていたそう。田丸さんは、米原万里さん亡きあとにポッカリとあいたスペースを埋めるかのごとくに、著作を連発しているような感じがするなあ。
印象に残ったのはやはりローマ、シチリア、ミラノ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ナポリ。ヴェネツィアやシチリア、行ってみたいなあ。シモネッタの名に違(たが)わず、下ネタ満載でございます。
印象に残ったのは、シチリアのシラクサの野外劇場でその昔、巨大空間でマイクを使わずどうやって声を遠くに届かせていたのか、石の音響効果を実際に体験し驚くシーン。私もスペインはグラナダのアルハンブラの丘にある「カルロスⅤ(キント)」の建てた広場で、同じ体験をした。その時の驚きと感動は、14年経った今も忘れられない。
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2009、5、14読了
2009年5月 6日 14:06
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新・読書日記
2009_85
『大人のジョーク』 (馬場 実、文春新書:2009、4、20)
『欧米ジョークの第一人者による男と女のジョーク"ベストセレクション200篇"』と帯にあり、英国最古のジョークとして紹介されているのが、
「男の太ももにぶら下がっていて、"穴"に何度も突きさすものはなあに?」
というなぞなぞジョーク。答えは、本書をお読みください。帯の裏に書いてあります。
男と女のジョークというからには、ちょっとエッチで、でも、あからさまにはそうは書かないで想像させ、しかもそれを予想外の着地点に落ち着かせる、そんな小話ですね。気軽に読めます。
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2009、5、3読了
2009年5月 3日 14:04
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