新・読書日記 2009_79
『極北クレイマー』 (海堂 尊、朝日新聞出版:2009、4、30)
この小説は『週刊朝日』で連載されていたそうだ。ふだん『週刊朝日』はあまり読まないのだが、去年、1度だけ買ったときにこの小説を読んだ記憶がある。後半の一部分、デジャブのように感じたのは、そのためか。
これまでの海堂作品の登場人物が、チラチラと登場するのがワクワクする。それにしても著者は、ふだんの医師としての仕事の中での、大きな不満(個人的な小さな不満ではなく、国全体のシステムに対する不満)を、小説という形を借りることによって吐き出しているのだなと、つくづく感じる。それでいて、エンターテイメントとしておもしろく読ませるのはすごいなと思う。
star3_half