新・読書日記 2009_3
『サッカーとイタリア人』 (小川光生、光文社新書: 2008、12、20第1刷)
サッカーとイタリアが好きな人には、たまらない一冊。そして、地元サッカーチームへの愛情は故郷への愛情、カンパリズモ。同じ町のライバルチーム同士の戦い=デルビー(英語ではダービー)に焦点を当てて取り上げた一冊。日本のプロサッカーでのダービーというと、静岡(ジュビロ磐田と清水エスパルス)と大阪(ガンバ大阪とセレッソ大阪)が知られているが本場・イタリアには、もっとたくさんのデルビーがあることを知った。私はサッカーとイタリアに関心があり、愛国心と愛郷心の違いに興味があるので、最適の一冊だった。特にナポリとマラドーナの関係について書かれた章は、1990年のイタリア・ワールドカップで、マラドーナのアルゼンチン代表の試合をナポリで見ただけに、その時のマラドーナに浴びせられたブーイングと声援を覚えているだけに懐かしく、また当時の謎(地元・ナポリなのに、なぜマラドーナにブーイングが浴びせられるのか?)がここで解けて、すっきりした。
著者は1970年生まれで、静岡県の藤枝東高校出身。サッカーどころである。それだけにイタリアのサッカーファンに理解が深いのであろう。
star4