2016年3月24日放送最終話
「就職が決まりました!」と理佐(片瀬那奈)らに報告する茂(小籔千豊)。客の少ない『アンヘラ』で給料をもらって働くのは心苦しいと、茂は密かに就職活動をしていたのだった。その就職先とは、大手企業の『黒沼不動産』だった。
いざ茂が黒沼不動産に出社すると、そこは社長の息子だという黒沼誠(宮川一朗太)のパワハラが横行するブラック企業。黒沼は、国島和幸(酒井敏也)を茂の教育係に指名し、茂をこき使う。国島や他の社員たちも、サービス残業などで疲弊しきっていた。
ある日、黒沼が主導で進めていた得意先の白岩社長(バッファロー吾郎A)との1億円の商談が破談になった。その責任を国島に押しつけ、土下座を強要する黒沼。見かねた茂が「そんなのパワハラじゃないですか!」と注意すると、黒沼に「おまえ、クビ。明日から来なくていいから」と解雇宣言される。
「クビになりました…」と、アンヘラに戻る茂。事情を聞いた理佐たちは「そんなの不当解雇じゃない!そんなブラック企業だったの?」と驚く。「できれば、理不尽な目にあう社員さんたちを助けて、働き続けたいのですが…」と茂。「労働基準監督署に通報してみては?」と円(葵わかな)は言うが、黒沼不動産は労基署の調査を巧みにクリアし、問題のない企業とされているのだった。「そうですか、では…」と円。
翌日、黒沼不動産に出社する茂は円のアドバイスを受け、会社に居座ることにした。「え?俺、おまえをクビにしたよな」と黒沼。「でも正当な理由がありませんから」と茂。イラつく黒沼は、顧問弁護士の沢渡雄也(袴田吉彦)と連絡を取る。
しばらくして、茂は、黒沼不動産から訴えられることになった。訴えの内容は、茂が取引先の白岩社長に暴言を吐き、1億の商談を破談にしたため、損害賠償金2500万円を請求するというものだった。事実無根のその訴えに対し、円は「黒沼不動産の狙いは賠償金を取ることではありません。裁判を行うことで、茂さんを精神的、金銭的に追いつめ、最終的には会社を辞めるという条件を飲ませて和解するつもりです」と言う。「どうすれば…」と茂。
対策を考えていると、「そこまでだ」と弁護士の殿村(竹中直人)が郷原(永瀬匡)を連れて現れる。「弁護士でもないのに弁護士の真似事をするのは非弁行為、違法行為だ」と殿村。「だから、報酬はもらってないので、非弁行為には当たりません」と理佐。だが、殿村たちは、理佐が出入りの酒屋からトラブル解消の御礼にとお金を無理に押し付けられている写真を撮っており…。「いつの間に…。でもそれは、すぐに返すつもりよ」と理佐は言うが、それでも報酬を受け取ったことになり、非弁行為だと言う殿村。「警察への通報は見逃してやる。だがその代わり、今すぐ金銭トラブル相談窓口は閉鎖しろ」と殿村。郷原を監視につけられ、茂の相談に乗れない理佐たち。
翌日、茂が出社すると、茂のデスクは地下室へ移動させられていた。茂が地下で暗い顔をして座っていると、清掃員の男、スガ(?)が来て、「ひでえ会社だな」と茂に同情する。「いい弁護士とか知りません?」という茂に、「…あんた、弁護士がいないと裁判ができないと思ってんの?」とスガ。
裁判の日、茂は、弁護士を立てない本人訴訟をすることにした。弁護士を立てないため、茂を金銭的に追い込むという黒沼の目論見が外れる。理佐は茂の力になりたいが、殿村の目があり動けない。「これじゃまるで円ちゃんのお父さんの時と同じね…」と理佐。円の父の金銭トラブル相談窓口を閉鎖させたのも殿村だった。その時も殿村は無理矢理、非弁行為の証拠を見つけてきたのだ。
理佐は思い立って、単身、殿村の事務所に乗り込む。そして殿村に向かい、深々と頭を下げる。「殿村先生。金銭トラブル相談窓口を続けさせてください。目の前の困っている人を助けたいんです」と理佐。だが、殿村は理佐を追い返す。
アンヘラに戻った理佐は、「もういい。逮捕されてもいいから、最後のミッション。茂さんを救うわよ」と言い、井上アリス(矢倉楓子)、武蔵川華子(藤田みりあ)もそれを応援する。そこへ殿村から見張りを命じられた郷原も来るが、郷原は、理佐の「困ってる人を救いたい」という言葉に共感し、見て見ぬふりを決め込む。
理佐たちは、訴えの内容が事実無根だという証拠を集めることにする。だが、証人となる白岩社長には黒沼がすでに手を打っていた。茂は、商談に同席していた国島に証言を依頼するが、国島は「会社をクビになるわけにはいかない」とそれを断ってしまう。
裁判の日、国島は、会社側の証人となって法廷に立った。国島は、茂が白岩社長に暴言を吐き意図的に契約を妨害した、と証言した。審議は黒沼不動産に有利に進むかに思えたが、証言台を降りる寸前、国島が「……と、今のは黒沼部長が、私に金銭と引き換えに命じた偽証です」と言い出す。沢渡が慌てて国島を止めようとするが、「部長から渡された金は5万円でした。たった5万で会社に魂を売れって…ふざけんじゃねえ!」と、国島は、訴えがでっち上げであることや、日頃の黒沼の暴言行為を暴露し、黒沼不動産の訴えは取り下げられる見込みとなった。
安堵する理佐と円のもとに殿村が来る。「今度こそ非弁行為で通報してやる!」と殿村。だが、アリスたちは、殿村が北新地のホステスたちに訴訟の裏話や武勇伝を語り、守秘義務違反を犯していることを掴んでいた。それを聞き、殿村は逃げていく。
理佐と茂は、国島が正しい証言をしようとした背景に、清掃員のスガの助言があったことを知る。「スガさんと言えば、僕にも助言をくれた法律に詳しい人なんです」と茂。「へえ…そのスガってのは苗字?」と理佐。「いえ、確か名札には“菅原”って」と茂。「え?それって…」と円。自分の父かもしれないと言う円。「ええっ?!」「普通、気付くでしょ!」「だって顔、全然似てないし」などと話しながら、スガの元へと走っていく一同で……