でたらめヒーロー

第13話6月27日(木) 24:18~

BACK NUMBER

禁断の薬「トゥーマイ」を完成させるため、久住大地(秋元黎)に危険な治験を行おうとしている黒木慶(小日向文世)。久住健太(佐藤隆太)は、黒木から大地を救おうとするが、ドロップの副作用からくる激しい胸の痛みに襲われてしまう。それでも何とか立ち上がった健太、黒木たちの隙を突き、大地を背負って芹沢春樹(西村和彦)と共に逃走する。
しかし、加勢に来た丹波修司(塚本高史)や倉田夏輝(本仮屋ユイカ)は、警備に止められ北洋製薬に入る事が出来ず、健太たちは再び捕まってしまう。追いつめられた健太は自らの命も顧みず、使うなら健太の体を治験に使い、大地だけは見逃して欲しいと黒木に頼む。
ところが、黒木たちはそんな健太の胸に銃弾を撃ち込む!倒れた健太を残し、大地を連れ去っていく黒木たち。銃声が聞こえ、ようやく北洋製薬になだれ込んだ修司と夏輝、倒れている健太を発見する。胸に仕込んであった盗聴器によって、弾丸の直撃は免れた健太。しかし、その衝撃が、ドロップによって弱っていた健太の心臓にさらなるダメージを与える。まだ息はあるものの、非常に危険な状態だ。
それでも大地を救い出そうとする健太。修司と夏輝の制止を振り切り、残っていたドロップを食べる。一方、屋上では、黒木たちが大地を連れてヘリで逃亡しようとしていた。健太は最後の力を振り絞り、そこに駆けつける。
だが、黒木は大地を人質にとり、健太の動きを止める。その隙に黒木の腹心の部下・岸谷が健太から血液を奪う。これでトゥーマイは完成する。大地も健太も用済みだ。黒木と岸谷は二人を始末しようとする。しかし、大地だけは何としても守ろうとする健太は屈しない。
そんな健太と大地を撃ち殺そうとする黒木。…が、その時、屋上に夏輝が駆けつけてくる。黒木を止める夏輝の声に躊躇する黒木。…と、その黒木を銃弾が襲う。撃ったのは、腹心の部下のはずの岸谷。彼は、北洋製薬にトゥーマイ開発を委託していた親会社PEACEの人間だったのだ。秘密保持の為、黒木を含めて皆殺しにしようとする岸谷。しかし、そこに駆けつけてきた修司、岸谷の暴走を止め、見事逮捕する。
岸谷に撃たれて意識朦朧としている黒木を抱え上げる健太、「もう、人が死ぬとこは見たくねえ…!」と、敵であるはずの黒木を救う為、最後の力を振り絞り、走る…。

2週間後。テレビでは「ゴーグルZ2号、死す!」というニュースをやっている。やはり健太は死んでしまったのか…と思いきや、アパートのトイレから出てくる健太。死んだという話は、引退する健太が後腐れないよう流したデマ。健太は生きていたのだ。
入院中の黒木を訪れる健太と夏輝。健太は、姉・恭子が本当に事故死だったとしながらも、その原因を作った黒木は許せない、と言い残し、去っていく。
「わかるだろ。大切なもん亡くしたお前なら」と健太。…そう、黒木は娘を難病で亡くしていた。ドロップの力を見つけたのも、その難病の特効薬を開発している時だったのだ。しかし、資金難で特効薬は完成しないまま、娘は死んでしまった。その悲劇が、娘を殺した病を無くす為なら何だってする“鬼”へと、黒木を変えてしまっていたのだった…。
黒木が夏輝に肩入れしていたのも、絵が上手だった娘の姿を、夏輝に重ねていたから。そんな黒木に「これからは立派に生きて欲しい。娘さんもそう願っているはず」と言い残し、夏輝は去っていく。一人残された黒木はウォークマンを再生する。流れて来たのは、娘の歌う「誕生日のうた」…黒木がいつも聞いていたのは、今は亡き娘の歌声だったのだ。娘の歌声に耳を澄ます黒木、その目から涙がこぼれる…。
一方、健太に「科学者になる」という夢を語る大地。そんな大地を守っていく事を改めて誓う健太。しかし、そんな健太の元に芹沢が訪れ、告げる。大地の本当の父親は芹沢だったのだ。そして芹沢は健太に頼む。大地を引き取らせて欲しい、と…。
大地の将来の為には芹沢の元で暮らした方がいい…そう考えた健太は、敢えて大地を突き放してアパートから追い出し、芹沢の元へと行かせる…。
その芹沢と共にシカゴへ行く事になる大地。しかし、健太は強がって見送りに行こうとしない。そんな健太に夏輝は、大地から預かってきたという「ヒーロー認定証」を渡す。そこには、大地から健太への精一杯の「ありがとう」の気持ちが込められていた…。それを受け取った健太、大地の元へと走る…!そして物語は、感動の結末を迎える…。