依頼人の近藤聡美(32)は真面目な兄の様子がおかしいと高橋エリカ(栗山千明)、戸塚宗一(杉本哲太)、園田純平(井出卓也)に相談する。兄の近藤洋一(45)は勤めていた銀行を急に辞め、その退職金で海外ブランドの自転車専門店を開くと言い出し、他界した父親の土地も勝手に売ってしまったという。仕事一筋で、自転車が唯一の趣味だった洋一の様子がおかしくなったのは、ひと月ほど前に1人の女性と知り合ってから。洋一は彼女とすぐに結婚を決めたらしく、聡美はその女性の事を調べて欲しいとエリカに依頼する。
エリカと純平は洋一の婚約者、佐伯美咲(29)の尾行を開始する。自転車通勤中に知り合った洋一と美咲。2人は自転車の話題で意気投合し、一緒に自転車ショップを開く約束をしていた。美咲は喫茶店で上品な身なりの両親に洋一を紹介。外科医と名乗る父親は洋一との結婚に難色を示すが、エリカは父親に違和感を抱き、外科医の指ではないと判断。エリカは美咲が絵に描いたようなお嬢様という事も引っかかり、何か思惑があると考える。
両親と別れた後、洋一は結婚の意思に変わりがない事を伝え、すぐに店舗契約する事を美咲に約束。エリカは両親にわざと結婚を反対させ、男性を焦らせる巧妙な手口と考える。エリカは両親の尾行を純平に頼み、キャリーバッグを引いた美咲の尾行を続ける。この後、美咲は公衆トイレに入り、ゴスロリ調の服装とメイクに変身し出てくる。美咲はオタク中年の森田幸雄とマンションの一室へ入っていき、エリカは小型スネークカメラとマイクを使って部屋の様子を確認。美咲は森田とフィギュアショップを開く約束をしていた。
美咲は森田からお店の頭金200万円を預かると、言葉巧みにカードまで奪い取ってしまう。エリカが美咲に呆れていると、そこに純平がやってくる。純平は美咲の両親が割の良いバイトで雇われていた事をエリカに報告。この後、美咲はバイトに行くと森田に伝え、キャリーバッグを引いて部屋を出て行く。夜、エリカから引き継いで美咲の尾行を続ける純平。美咲は高級ホテル暮らしをしていた。
翌日、純平は結婚を餌にお金を騙し取られている被害者が他にもいるとエリカと戸塚に報告する。この後、エリカはドアをロックして閉め出された宿泊客を装い、美咲の部屋を従業員に開けてもらい室内へ侵入。見ると自転車、フィギュアなどの資料が積まれていた。美咲は男性に話を合わせるため、必死に勉強していたのだ。エリカはロビーにいる純平から美咲が戻ってきたという連絡を受け、結婚詐欺の証拠を見つけられないまま部屋の外へ。エリカは部屋に証拠がないため、キャリーバッグの中に証拠があると確信する。 この後、美咲は高級エステのチラシに気付いて連絡を入れる。部屋にやってきたのはエステティシャンに変装したエリカだった。エリカは着替えるように美咲を促し、その隙に純平が美咲のバッグと偽物のバッグを入れ替える。純平は美咲のバッグを外に運んで中身を調べ、パソコンの中身をダウンロード。この時、純平は安っぽいサーフボードのキーホルダーを見つけてカメラで撮影する。
マッサージ中、エリカが将来の夢の話題に触れると、美咲は、学生時代はあったが今は忘れたと吐露。その時、エリカは美咲の表情が変化した事に気付く。この後、エリカは美咲がシャワーを浴びている間に純平からバッグを受け取り、元の状態に戻しておく。事務所に戻った純平は美咲の口座に毎月、数人の男からまとまった金が振り込まれている事を突き止める。口座の残高は5千万円だった。美咲はソーシャルネットワークを巡回し、ターゲットの趣味や行動パターンを調べ、偶然を装って近づいていた。
さらに純平はパソコンの閲覧記録を調べ、美咲がこまめにチェックしているブログがある事に気付く。それはマリンスポーツで有名な西崎グループの御曹司、西崎京介のブログだった。純平は先ほど撮影したサーフボードのキーホルダーの写真を拡大。そこには「HAWAII misaki&kyosuke」と書かれていた。翌日、8年前に美咲がハワイ旅行した時、京介と出会って交際していた事が判明。その時、現地にショップを開く約束をした2人。だが、経済的な格差を理由に西崎の親に反対されて2人は破局していた。エリカは西崎を利用して、美咲を懲らしめる作戦を考え出して実行に移すが…。