事件ファイルCASE FILE
死亡の館、赤い壁(三顧の礼)
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長野県警の大和敢助(やまとかんすけ)警部と上原由衣(うえはらゆい)刑事に捜査協力を求められた小五郎はコナン、蘭と共に長野の森の中にある希望の館へ。大金持ちが館を才能はあるがお金がない若者たちにタダ同然の家賃で提供した事が館の名前の由来で、3年前からは死亡の館と呼ばれるように。最初、館には若者6人が住んでいたが2、3年後には独立。5、6年前からは館で知り合って結婚した夫婦しか住んでいなかったという。
館に住んでいたのはイラストレーターの明石周作(あかししゅうさく)、俳優の翠川尚樹(みどりかわなおき)、小説家の小橋葵(こばしあおい)、ファッションデザイナーの山吹紹二(やまぶきしょうじ)、CGクリエーターの百瀬卓人(ももせたくと)、ミュージシャンの直木司郎(なおきしろう)の6人。名前を聞いたコナンは全員の名前に色が入っている事に気付く。敢助によれば、6人は自分たちを色で区別していたという。
敢助は遺体が発見された部屋に小五郎らを案内。当時、部屋の外開きの扉は本を詰めたダンボールで塞がれ、中の人間は餓死していたという。そして小五郎らは左側の壁一面が真っ赤に染まった部屋の中へ。部屋の中央には白く塗られた椅子と黒く塗られた椅子が背もたれを合わせて置かれ、椅子の脚は釘で床に固定。由衣は白い椅子に遺体が座っていたと説明する。犯人は部屋に盗聴器を仕掛けて被害者の生死を確認していたが盗聴器は未回収。つまり、赤い壁も白と黒の椅子も被害者が残したダイイングメッセージなのだ。
餓死したのは明石周作で、彼と結婚した葵は3年前に倉庫で心臓の発作を起こして他界。部屋で作品を仕上げていた周平が気付いたのは半日後だった。そこに長野県警新野署の諸伏高明(もろふしたかあき)刑事が現れる。敢助のライバル、高明は遺体の第1発見者。絵の具やラッカー、色が付いた画材は全て窓から放り出されていて、通りかかった高明が不審に思って調べたのだ。部屋には赤いスプレー缶のみ残され、赤い壁の端には周平が自分の血でサインを書いていたという。葵が死んだ事を恨んでいる人物が犯人と考えたコナンは現場の状況も踏まえ、館の事をよく知る住人だった4人の中に犯人がいると推理する。