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#516

名探偵コナンスペシャル 『風林火山 迷宮の鎧武者』

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 小五郎はコナン、蘭と長野県にある虎田家の屋敷を訪ね、当主の虎田直信(とらだなおのぶ)から転落死した跡取り息子の義郎(よしろう)の話を聞く。義郎は竜巻に遭って岩場に落下し、遺体は丸1日経ってから発見されたという。遺体写真には死んだムカデの姿。ムカデは血が乾く前に置かれたらしく、誰かが瀕死の義郎を見殺しにしたというのだ。遺体を発見したのは次男の繁次(しげつぐ)。コナンが犯人の心当たりを聞くと、直信の妻、達栄(たつえ)は虎田家と長年いがみ合う龍尾家の中に犯人はいると訴える。
 一方、龍尾家の屋敷では、平次と和葉が当主の龍尾為史(たつおためふみ)から亡くなった息子の康司(こうじ)の話を聞いていた。康司は身体を縛られた上に頭を鈍器で何度も殴られて撲殺され、血が乾く前にムカデの死骸を置かれたという。為史の母、盛代(しげよ)は義郎の死を龍尾家のせいだと逆恨みした虎田家の誰かの仕業だと訴える。遺体はもう1人の息子、景(あきら)が流鏑馬の練習の帰りに発見したという。
 この後、小五郎らは、裏の林で妻の綾華(あやか)が見守る中、次の祭りに向けて流鏑馬の練習に励む景から話を聞く。この際、景は大阪弁の少年探偵にも話を聞かれた事を明かし、コナンと蘭は平次の事を思い浮かべる。その頃、平次と和葉は虎田家を訪ね、繁次に話を聞いていた。平次も繁次から武将と同じ名前の探偵の話を教えられ、小五郎やコナンを思い浮かべる。この後、6年前に事故死した甲斐玄人(かいくろと)の話に。前年まで祭りで流鏑馬の射手を任されていた甲斐は練習中に崖から転落したという。
 平次と和葉は、甲斐の遺体を発見した義郎の妻、由衣(ゆい)に話を聞くため、馬小屋へ向かう。馬小屋では、長野県警刑事の大和敢助(やまとかんすけ)がすでに由衣を尋問していて、後から小五郎らもやってくる。蘭と和葉は再会を喜び、平次もコナンとの再会に笑顔を見せる。敢助は6年前、甲斐の遺体のそばにムカデの死骸があったかを確認し、由衣はなかったと証言する。
 この後、小五郎らは義郎、康司の事件を整理する。共通するのは発見者が身内という点。由衣は6年前の事件と義郎の事件も見殺しにされた点では共通していると主張する。甲斐の死因は餓死で、発見されたのは転落して1週間後。村の交番の巡査だった甲斐は皆に慕われ、村中で必死に捜索したが、落ち葉に埋もれて発見が遅れたという。繁次は、義郎の時は夜明けから捜し始めたと振り返る。だが由衣は穴へ行く途中で偶然見つけたはずと指摘し、繁次は慌てて訂正。小五郎が穴の事を訊くと、宝探しをしている繁次はその穴だと明かす。
 由衣は生前、義郎と康司がよく密談していたと告白。2人は敢助に会いに行くと話していたという。虎田家の人が密談の内容を知らなかったため、コナン、平次、小五郎は龍尾家の人に話を聞きに行く。だが、為史は密談している事すら知らなかった。ただ、康司は義郎が亡くなった後、何かに怯えていたという。コナンは両家がいがみ合う理由を質問するが、盛代は理由を忘れていた。両家のしがらみは薄れ、景は自分や綾華、義郎、繁次が仲良くしていた事を明かす。
 綾華によれば、甲斐はその年の祭りで的を外し、そのショックで自ら崖から落ちたという噂もあるという。この後、雨が降り出し、コナン、平次らは龍尾家の屋敷に泊まる事になり、虎田家に残っていた蘭と和葉は就寝。だが、和葉は床がきしむ音に気付いて蘭を起こす。すると2、3度、稲妻が閃き、その度に鎧武者の影が障子に映る。蘭と和葉は鎧武者の影に絶叫する。
 翌朝、コナン、平次、小五郎は綾華と共に虎田家へ。綾華は虎田家に景が使っている馬を借りているという。一行が虎田家に到着すると、蘭らが達栄に鎧武者を見たと話していた。蘭は兜にフサフサした毛が付いていたと言い、平次はその兜が武田信玄の諏訪法性の兜だと気付く。信玄の兜の話になると、綾華は急に怯え始め、トイレの中へ駆け込む。綾華はトイレにこもってしまい、直信から連絡を受けた景と盛代が迎えに来る。だが、綾華はしばらく1人になりたいと言ったまま姿を消し、皆で手分けして綾華を捜し始める。
 そして、駆けつけた敢助が林の中の木の枝に吊され、絶命した綾華を発見。この際、敢助は由衣を「上原」と呼び、死亡時間を取ってくれと指示を出す。コナンと平次が2人のやりとりに驚いていると、敢助は昔のクセだとお茶を濁す。敢助は連続殺人と判断。義郎、康司の事件同様、綾華が吊された足元にムカデの死骸が置かれていたのだ。さらに、ぬかるんだ土の上には今入った敢助の足跡と杖の跡しか残されておらず、木によじ登った形跡もなし。つまり、これは不可能犯罪だった。盛代は信玄の祟りだと怯える。
 為史によれば、信玄は戦場で伝令役を務める者たちを「百足衆」と呼び、ムカデの旗指しを背負わせていたという。繁次が探していた宝は信玄の隠し金山だったのだ。繁次は倉でその書物や地図が出てきて以来、亡くなった2人と綾華、景を巻き込み、宝探しに夢中になっていたという。敢助は綾華のウエストポーチに携帯電話がない事を確かめ、綾華が犯人に呼び出されたと推理する。
 この後、コナンと平次は虎田家の屋敷へ行き、蘭らから鎧武者を見た時の状況を聞く。この時、コナンは廊下や地面に落ちていた繊維状のビニールのヒモ数本を発見。束にして兜に付けて諏訪法性の兜に模した推理する。小五郎は祭りで使う鎧を部屋に置いていた繁次を犯人と疑うが、コナンはすぐに否定。庭には裏門まで続く草履の足跡が残っていたのだ。誰かが外部から侵入したのか、家の誰かがそう見せかけたのか…、謎は深まる。すると和葉が龍尾家にも鎧がある事を繁次から聞いたとコナンらに報告する。
 コナンと平次は鎧を確かめるため、龍尾家に向かう。途中、2人は綾華の口を塞いでいた猿ぐつわの話をする。コナンは猿ぐつわに違和感を覚え、何か取れない理由があったと推理する。そして龍尾家に到着したコナンと平次は為史に信玄の鎧を見せてもらう。為史と盛代は信玄の大ファンで、この鎧を買ったという。この時、為史は康司が景の後に生まれた娘の婿だった事を明かす。娘はずいぶん前に交通事故で他界。康司は景と同級生で、結婚前からよく遊びに来ていたという。虎田家の義郎と繁次も兄弟だが同級生。義郎は直信の姉の息子で、姉夫婦が早死にしたため、養子として引き取られたという。話を聞いた平次は死んだ3人が両家と血が繋がっていない事に気付く。この後、コナンは鎧の後ろに飾られた「風林火山」の旗を見て、連続殺人事件の真相に迫る。竜巻で大ケガして見殺しにされた義郎は「風」、山のように盛られた土に埋められた康司は「山」、林の中で口を塞がれた綾華は「林」。連続殺人は武田信玄の軍略になぞらえていたのだ…。

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