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#67110月23日(日) 10:25~放送
スリランカ

 2016年、スリランカのカルピティヤで、カイトサーファーとして活躍していた大島彩さん(当時28)。大きなカイトで風を受けながら、ボードで水上を滑走するカイトサーフィン。カルピティヤは、安定した強い風と遠浅の海岸を求めて多くの観光客や選手がやってくる世界有数のカイトサーフィンのスポットで、彩さんは「スリランカカイト」という宿泊設備とスクールが併設されたリゾート施設で働いていた。大学生の時、友達に誘われカイトサーフィンを始めた彩さん。初めは単なる趣味で、ここまでのめり込むとは思っていなかったというが、大学卒業後はカイトサーフィン一筋の生活に。9年間、海外を転々としてきた。空中で様々な技を決めるフリースタイルという競技で、2011年から3年連続アジアチャンピオンになった程の実力者でもあるが、選手としてだけで生計を立てることは難しく、施設ではインストラクターとして働いている。スリランカに来たきっかけは、恋人の存在。アジア大会で知り合い、3年前から付き合うフランス人のステファンさんがこの施設の共同オーナーになり、一緒に働かないかと招いたのだった。両親には詳しいことを告げず、スリランカに渡り2年。ステファンさんは「今の仕事のこともあるのですぐにとはいきませんが、必ず結婚して家族を作ります」と明言するものの、彩さんは将来についてははっきりとしたプランはないといい、「ずっと流されるままに生きてきて、私も自分がどうなるのか分かっていない。言ったことがその通りになるとは思っていないので、それなら言わなくてもいいのかなと…」とこれまで両親に何も伝えてこなかった理由を明かす。
 カイトサーファーとして生きること9年。愛する人と出会い、思うがまま自由な人生を送る娘へ、日本の母からの届け物は、家族でハワイに行った時に買ったクジラのしっぽをかたどったネックレス。母が大切にしていたもので、嫁入り道具を持たせることもできないまま遠くに行った娘への想いが込められていた。クジラのしっぽには、ハワイでは「幸せを願う」という意味が。そんな母の気持ちを知り、彩さんは「私のことをすごく思ってくれていて…うれしいし、心配かけていてごめんなさい」と号泣したのだった。
 あれから6年。山口智充がフランスにいる彩さん(35)とリモート中継をつなぐ。フランスはカイトサーフィン発祥の国であり、ボーデュックという有名なスポットでは海がカイトサーファーで混雑するほど、現地ではメジャーなスポーツ。彩さんたちは妊娠が分かった約4年前にスリランカを離れ、現在はステファンさんの実家があるフランスで3歳の息子・海くんと暮らしている。彩さん自身、妊娠8か月の頃までカイトサーフィンを楽しみ、既に海くんも一緒にボードに乗っているそう。実はスリランカを出たあとも、タンザニアやポルトガル、フランスと、住みやすくてカイトサーフィンができる場所を求め転々と生活してきた彩さんとステファンさん。今度はカリブ海に浮かぶマルティニーク島に引っ越す予定だそうで、彩さんは「大変なこともありますけど、各場所で違う経験ができるので、それを楽しみながら生活している。子どもも一緒にカイトを楽しめるようになれば、それが一番いいかなと思ってます」とこれからについて語る。