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#5431月19日(日) 10:25~放送
地球便SP

 “ぐっさん”こと山口智充が自ら届け物を携え、ジャマイカで奮闘する日本人に会いに行く「地球便SP」。3週目の今回、ぐっさんが訪ねたのは11年前に番組で紹介した体操コーチの西田慎さん(37)。当時はスラム街に暮らす貧しい子ども達を救いたいと、体操文化のないジャマイカで体操ジムを開いたばかりだった。生徒数はわずか15人。給料もゼロで自分の部屋を借りる余裕もなく、ジムの2階で自炊生活をおくっていた。あれから11年、どんな変化があったのか?ぐっさんは、首都・キングストンのダウンタウンから車でおよそ20分の場所にあるジムを訪問する。以前は荒れた倉庫を改装して開いた手作りのジム。今は2018年に新しいジムが完成し、広さは以前のおよそ3倍に。ぐっさんも思わず「すごい立派じゃないですか!」と仰天する。現在、慎さんのジムはジャマイカ各地で4つの教室を持つまでに成長。また25の学校やコミュニティーセンターで出張授業も行い、体操競技の普及に尽力している。生徒は全部で700~800人にのぼり、コーチも30人在籍。デモンストレーションを見せてもらったぐっさんは、生徒たちの身体能力の高さにさらに驚く。夢はこの地でオリンピック選手を育てること。加えて、体操を通じて貧困から子ども達を救いたいと考えている慎さんは、ゲットーと呼ばれるスラム街で暮らす子ども達に授業料をもらわず体操を教えてきた。現在コーチをしているダニエルさんは、実は11年前の取材時にも出演していた元生徒。彼も貧困地区の子どもの一人で、11歳の頃は柔軟体操にも悲鳴を上げるほどだったが、夜遅くまで練習に励むなど努力が実を結び2017年には世界選手権出場の快挙を果たした。こうして次の世代へと受け継がれる慎さんの想い。だが、ここまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。ジムを開いて5年がたった頃、この国を襲ったのが経済不況。習い事にお金をかける家庭が少なくなり、ジムは経営危機に陥る。そんな窮地を助けてくれたのが日本の両親。思い返せば、慎さんがかつて日本で教師になるかジャマイカに残るか迷っていた時も、父は「自分が本当にやりたいことをやったらいい」と励ましてくれた。その時に掛けてくれた「貧乏になるのは、夢を追う代金と思え」という言葉が今につながっているという。
 ぐっさんは、慎さんの休日の楽しみである無人島キャンプに同行。カリブ海に浮かぶ島へ向かい、まずは食料調達と海に潜って伊勢海老を狙うことに。こうして大量に仕留めた獲物を豪快に調理し、海の幸を食べながらぐっさんが話を聞く。この11年の間、私生活でも大きな変化があった慎さん。青年海外協力隊の活動を通じて知り合った妻と結婚し、現在は2児のパパに。そして慎さんのことを誰よりも応援してくれていた父・富士夫さんが4年前に亡くなった。最期まで弱音を吐かず、前向きだった父の姿に生き様を教えてもらったといい、以前よりも家族と一緒に過ごす時間を大切にするようになったという。ジャマイカに渡って15年、愛する家族ができ、信頼する仲間が増えた。これからも夢に向かって歩み続ける慎さんへ、母の想いをぐっさんが手渡す。