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#4746月24日(日)10:25~放送
フィリピン

 今回の配達先はフィリピン。世界6階級制覇を果たした伝説のボクサー、マニー・パッキャオをはじめ数多くのチャンピオンを生んできたボクシング大国でプロボクサーとして奮闘する大塚喬太さん(23)へ、東京都に住む母・純子さん(44)、祖父・賢一さん(76)の思いを届ける。
 純子さんは大のボクシング好き。これまでは「見ちゃうと悔しくなるから」と、喬太さんの練習風景も試合も見たことがなかったという。そんなボクシングファンである母の影響で、小学2年生からボクシングを始めた喬太さんは、中学卒業後の16歳のときに「さらに腕を磨きたい」と単身フィリピンへ。18歳でプロデビューしてからは5戦連続で勝利を収め、フィリピンでは外国人として初となるランキング入りを果たす。しかし、念願のタイトルマッチで惜しくも敗戦。以来負けが込み、ランキング外となった現在の戦績は11戦6勝3敗2引き分けで、1年以上勝ち星に恵まれていない。喬太さんのトレーナーであるロジャーさんも「喬太はとても良い選手だけど、パンチ力が弱いことが課題」と話す。そこで喬太さんはパンチ力をアップするために体重を増やし、階級を1つ上げて次の試合に挑むことに。対戦相手は30戦15勝と喬太さんの3倍のキャリアを誇るが、勝てば再び国内ランキング入りしベルト挑戦にも繋がる、ボクサー人生でも大きな転機となる重要な試合。過酷な調整を終えた試合前日、計量会場で相手ボクサーに対峙した喬太さんは「全然問題ない。やるだけ」と静かに闘志を燃やす。
 家族からの仕送りを生活資金としてきた喬太さんだが、フィリピンに渡り8年が経とうとする今、「家族や支援してくれている人たちのためにも、今年1年で結果を残したい」と、その援助を断ち切って次の試合に臨む。ファイトマネーも入ってこないため、これまでの仕送りから少しずつ貯めていた貯金で生活し、まさに今年1年が勝負の年だ。
 母の純子さんは21歳の若さで未婚のまま喬太さんを出産。息子を養うために遅くまで働きに出ていたため、今は亡き祖母の靖子さんが母親代わりだった。喬太さんは「幼な心にも優しい存在だった。自分をしっかり愛してくれて見守ってくれていたのは、何年たっても忘れられない記憶になっている」と振り返る。祖父の賢一さんは「(靖子さんは)『喬太の面倒は私が見るんだ』と一生懸命だった」と打ち明ける。現在、フィリピンではマネージャーのアルトゥールさんが、試合を万全な体調で迎えられるよう喬太さんを家族の一員として受け入れサポートしている。
 結果がなかなか出せずもがき続けている喬太さんだが、日本の家族や応援してくれる人、家族同然に接してくれるスタッフらさまざまな人の思いを背負い、いよいよ頂点に立つための大一番へ。そして、ボクサー人生を掛けた戦いを終えた息子へ母からの届け物…それは今の自分へ向けられた厳しくも優しい家族の想いに溢れたものだった。