過去の放送

#4531月21日(日)10:25~放送
グッと!地球便inラスベガスSP アメリカンドリームをつかんだ女性たち

 エンターテインメントの聖地・ラスベガス。立ち並ぶホテルでは数多くのショーが開催されている。その中でもトップクラスの人気を誇るのが、ベラージオホテルで20年間もロングランしているシルク・ドゥ・ソレイユのショー「O(オー)」。特設のプールをステージにした「O」にシンクロナイズドスイミングのパフォーマーとして出演している小林寛美さん(33)を、山口が訪ねる。本番前、そのバックステージに案内してもらい、練習を見せてもらった山口。ステージが浮き沈みすることで舞台が水で満たされたプールに早変わりする圧巻の舞台装置に驚かされる。
 かつては北京オリンピックにも出場したシンクロナイズドスイミングの選手だった寛美さん。彼女が出演する「O」のシンクロチームは、自分たちがメインの時だけでなく、1時間半のショーの間、ステージを彩る役割としてほぼ水中で演技をし続けている。客席からは見えない水中で時に酸素を供給しながら過酷な演技を行っているのだ。そんなショーを客席から観覧した山口は「最初から鳥肌が立ちっぱなし。感動した!」とその迫力に圧倒される。ショーは1日2ステージ。週5日、年間480回も出演している寛美さん。「メンバーは世界トップレベルのパフォーマーばかり。その中でショーをやれることに毎日幸せを感じている」といい、パフォーマーとして充実した様子がうかがえる。
 寛美さんは4年前に結婚。夫のビージェイさん(39)もパフォーマーで、8年前に所属していた「ルレーブ」というショーで出会ったとのこと。ビージェイさんは現在、「O」に並ぶシルク・ドゥ・ソレイユの人気ショー「マイケルジャクソONE」に出演しているという。パフォーマーは体が資本。夫婦そろって家庭でも食事や体調管理に気を使うのはもちろん、世界最高峰の舞台でパフォーマーとして居続けるためには、自主トレーニングも欠かせない。山口はプールでの自主トレにも密着。演技を間近で見せてもらうため、一緒にプールの中へ。寛美さんから基本の立ち泳ぎを教えてもらった山口だが、「同じ場所にじっといるだけでもしんどい!すごい体力」と、シンクロナイズドスイミングの過酷さに驚かされる。
 日本では現役引退後、一度はシンクロを離れ一般職に就いたが、シンクロへの思いを捨てきれず、8年前パフォーマーとして生きていこうと決意。同じシンクロ日本代表チームの元メンバーで、当時すでに「O」に参加していた北尾佳奈子さん(35)を頼りに渡米した。今や世界トップクラスのパフォーマーと共に活躍している寛美さんだが、過去には大きな挫折があったという。
 9歳の時に偶然目にしたシンクロに興味を持ち、競技人生をスタート。毎日10時間以上に及ぶ過酷な練習を乗り越え、23歳の時、念願の北京オリンピックに出場した。ところが、その晴れ舞台で寛美さんはアクシデントに見舞われる。酸欠になり演技の最後で失神してしまったのだ。結果は5位。父・義和さん(64)と母・匡代さん(59)は、「メダルを期待されていたのに獲ることができなかった。会社の人もたくさん応援に来てくれたんですが…。本人は本当につらかったと思う」と振り返る。失意のうちに終わった北京オリンピック。それ以来、親子でオリンピックについて話すことはなかったという。
 それから9年。再びパフォーマーとして生きることを選んだ娘は、一体どんな心境でシンクロに向き合っているのか?山口が日本の母から預かった手紙には、これまで聞きたくても聞けなかったことや、オリンピック出場を目指して過酷な練習に耐えていた彼女を見守ることしかできなかった母の切ない思いが綴られていた。「あの挫折があったからこそ今がある」。寛美さんは母に向けて、オリンピックへの思いや、挫折をどうやって乗り越えてきたかなど、これまで語ることのできなかった胸の内を明かす…。