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#3724月10日(日)10:25~放送
アメリカ・サンディエゴ

 今回の配達先はアメリカ・サンディエゴ。フラフープを使ったダンス“フープダンス”のプロダンサーとして奮闘する針千佳子さん(37)と、大阪に住む父・勝彦さん(68)、母・陽子さん(62)をつなぐ。24歳の時、家族の反対を押し切って渡米した千佳子さん。ダンサーという不安定な職業に、両親は「どうやって収入を得て生活しているのか…」と心配している。
 フープダンスは、音楽とリズムに合わせて“フラフープ”を自在に操って踊る、カリフォルニア発祥の新しいダンス。アクロバティックな動きを取り入れているのが特徴だ。千佳子さんはインストラクターとしてフープダンスをジムで教えたり、パーティーなどに呼ばれて披露するなど、まだまだマイナーなこのダンスを少しでも広めようと奮闘している。しかし、ダンサーだけでは生活が成り立たず、週に3日、寿司レストランでアルバイトをしているのが現状だ。千佳子さんは「いずれはフープダンスだけでやっていきたい」と夢を語るが…。
  小学校でバトンダンスを始め、その後はジャズダンス、ヒップホップなど、さまざまなダンスを経験してきた千佳子さん。その後、語学留学でやって来たロサンゼルスに魅了され、24歳の時に渡米した。当初は、かねてからの夢だったドッグトレーナーの道に進んだが、9年前、ロスでフープダンス界のカリスマ、クリスタベルさんのパフォーマンスと出会ったことから、人生が大きく変わった。「“これを探していたんだ”とビビッときた。当時はまだフープダンスをしている人はほとんどいなかった。誰もやっていないことをやりたかった」。千佳子さんはダンスの可能性に賭けようと、フープダンスの道に進むことを決意。クリスタベルさんに弟子入りした。だが、周囲からは無謀な挑戦だと反対された。「母からも、そんな仕事では食べていけないと言われましたが、そう言われれば言われるほど、“それなら、やってやろう”と(笑)」。
 今はアメリカ海軍でエンジニアとして働く婚約者のクレイトンさん(30)と半同棲生活を送っているが、彼もまだ収入があまり多くないため、生活は楽ではないという。千佳子さんは「貯金がないので何かあったら終わりです。アメリカに来た当初は、何度か親に援助してもらったこともあるけど、今は恥ずかしくて言えない。本当は私が両親にお金を送らないといけない立場なのに…余計な心配をかけたくない」という。結婚も決まり、母が少しでも安心してくれればと願っている。
周りの反対を押切り、フープダンサーになって9年。決して楽な道ではなかったが、「やっとここまで来られた。時間はかかったけど、ゆっくり一歩一歩、目の前にあることを頑張ってきた」と、千佳子さんに後悔はない。
そんな彼女に届けられたのは、母手作りのバッグ。最近、体調がすぐれない中で、娘の成功を祈り、思いを込めて作ったものだ。千佳子さんは感激し、「お母さんが自慢できる娘になりたい。私は親孝行できているのかな?」と自問自答しながらも、心配してくれる母に感謝するのだった。