過去の放送

#3662月21日(日)10:25~放送
アイスランド・レイキャビク

 今回の配達先はアイスランドの首都レイキャビク。現地の人気アパレルブランド「ボルケーノデザイン」で働く白戸舞さん(37)と、神奈川県に住む父・忠芳さん(67)、母・信子さん(65)をつなぐ。日本で勤めていた会社を辞め、30歳で“運命を感じた”というアイスランドへ渡った舞さん。両親は「自分のやりたいことには一直線に進む子。失敗したとしても、自分の意思を貫いてくれればいい」と、日本から応援している。
 「ボルケーノデザイン」は、体型を隠しつつも、女性らしさを感じさせるデザインが若い女性を中心に支持されている人気ブランド。立ち上げたのはオーナー兼デザイナーのカトラさんだ。従業員10人足らずのこの会社で、外国人は舞さん一人だけ。規模が小さいため、舞さんは縫製だけでなく、服作りのほとんどすべての工程に関わっているという。布から洋服になるまで、自分の手作業ですべて作り上げていくこの仕事には、たくさんの喜びを感じているという。
 日本にいる時は営業を担当するOLだった。海外に住むなど夢にも思っていなかったが、30歳で日本を飛び出すきっかけになったのは、ちょっとした巡り合わせだったという。「日本でアイスランドの友人ができたり、アイスランドに関係することに出会う機会がすごく重なった。これはもう神様が“行け”と言っていると思うぐらいに、“これは!”というものがあった」と振り返る。以来、アイスランドの事が頭から離れなくなり、ついに7年前、「行動しないで後悔することはやめよう」と渡航を決意したのだ。
 アイスランドでは国立の芸術大学で服飾デザインを学び、「ボルケーノデザイン」に縫製担当として就職。今では新製品の企画やデザインを提案するまでになり、カトラさんからも厚い信頼を寄せられている。これまでに舞さんがデザインした服は、あまりに人気を呼んだため、生地を変えていくつものバージョンが作られ、タグには舞さんの名字「BY SHIRATO」の文字が記されているという。
 私生活ではグラフィックデザイナーの恋人・アトリさん(28)と2人暮らしで、公私ともに充実した日々をおくる舞さん。最近では、ウールを使ったセーターの文化が根付いたアイスランドに、カラフルな毛糸がほとんどないことに着目。自宅で自ら毛糸をカラフルに染め上げ、その毛糸を使ったセーターで新たなブランドを立ち上げようと考えている。
 そんな舞さんに日本から届けられたのは、釣り好きの父が長年愛用してきた釣竿。最近、釣りをやめてしまったが、この1本だけは大切に残しておいたのだという。幼い頃、よく父と釣りに出かけたという舞さんは「全部処分したと聞いていたので、本当にうれしい」と大感激。添えられていた父の手紙には「アイスランドに行くと決めた舞は、素晴らしい勇気があったと褒めてあげたい。舞は魚が好きだから、大物をたくさん釣って楽しんでください。舞の生き生きとした姿を見るのが父の生き甲斐です」と綴られていた。舞さんは「私が楽しんでいる姿をもっと見せてあげたい。いつか自分の店とか、何か形にして見せたいですね」と、両親への思いを語るのだった。