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#30410月5日(日)10:25~放送
アメリカ/ニュージャージー州

今回の配達先はアメリカ・ニュージャージー州のロングブランチ。ここで女子プロレスラーとして奮闘するフロレディア坂井澄江さん(42)と、三重県に住む父・悟さん(70)、母・百合子さん(66)、弟・貴治さん(39)をつなぐ。かつて日本でも女子プロレスラーとして活躍していた澄江さんは、30歳の時、すべてを捨てて本場アメリカへ。以来、ほとんど親に連絡することがなかったという。日本の両親は、澄江さんが今もプロレスを続けていることを知らず、「たぶんハウスクリーニングの仕事をしているのでは?」と話す。
しかし澄江さんは42歳になった現在も、月に1,2度オファーを受け、フリーのプロレスラーとして試合に出場している。そんな彼女を、格闘技経験のある夫のデイビッドさん(37)がサポートする。夫は「彼女がプロレスを天職だというのであれば、僕は彼女を支えたい」という。しかし、プロレスだけで生活するのは厳しく、試合のない日は夫と2人、毎日ハウスクリーニングの仕事をして、生活の糧を得ているのだ。
父親がコーチを務めていた柔道場で、小学生の時から柔道を始めた澄江さん。実業団時代は全国3位になり、オリンピックを目指すまでになった。世界団体戦のメンバーとなり、試合に向けて練習していたが、1週間前にメンバーから外されるという大きな挫折を味わった。夢半ばに柔道を辞めてしまった澄江さん。人生の目標を失っていた頃、ふと目にし、魅了されたのが女子プロレスだった。
「プロレスに興味はないと思っている人に、プロレスの魅力を伝えたい」。25歳でプロレスデビューし、新たな夢を追いかけ、日本でトップレベルにまで上り詰めた澄江さん。やがて、「本場のリングに立ちたい」と、30歳の時、すべてを捨てて渡米した。
「私は失敗ばかりなんです。今度こそ、中途半端に辞めたくない」。試合では一回りも年下の選手と対戦し、多彩な技を繰り出して会場を盛り上げる。「やめる時は自分で区切りをつけたい。ちゃんとやり切りたい。皆さんに喜んでもらえる間は精一杯やりたい」。そんな思いで42歳の今もリングに立ち続ける。
実は、まだほかにも両親に報告していないことがあるという。8年前から、さらにハードな総合格闘技に参戦しているのだ。これまでの結果は2勝4敗1ノーコンテスト。今は週に5日ほど柔術やキックボクシングなどのトレーニングを積んでいるという。「父と母が常にいろんなことに挑戦する姿を見てきたので尊敬しています。だから私も諦めたくない」と澄江さん。だが、そんな娘の姿に、日本の母は「まさかプロレスをしている姿を見るとは思わなかった」、父も「誇れる娘とは思っているが、そろそろ引き際を決めてほしい」と複雑そうだ。
そんな両親から澄江さんに届けられたのは、彼女の大好物、中華ちまき。かつて柔道をやっていた頃、辛かった減量の後に、いつも母が作ってくれた思い出の味だ。懐かしい味をほおばった澄江さんは「心配はかけてしまうけど、でも毎日が楽しい。本当にお父さんとお母さんの子供でよかった」と、両親を思い、涙をこぼすのだった。