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#2824月13日(日)10:25~放送
ルワンダ共和国/キガリ

今回のお届け先はルワンダ共和国キガリ。訪ねるのは18年前に海を渡り、ルワンダ人の夫と共にNGOを設立し、20年前の内戦で手足を失った人たちに無償で義肢を提供する活動を続けるルダシングワ真美さん(51)だ。そんな彼女の活動を18年前から支援するのが、京都聖母学院小学校の生徒が運営する支援団体「ルワンダレスキュー隊」。その一期生・霜降大介さん(28)と萩彩江子さん(28)、現役で活動する18期生の子供たちと真美さんをつなぐ。霜降さんと萩さんは「昔、真美さんがこの学校に来て、ルワンダのことを教えてくれた。18年間でどんな成果があったのか。現状を知りたい」という。

 日本で義肢装具士の修業をしていた真美さん。義肢装具士になったのは、右足が不自由なガテラさん(59)との出会いがきっかけだった。その修業の最中に起きたのが、民族紛争の果てに起こったルワンダ虐殺。3か月間で100万人が無差別に殺され、見せしめのために多くの人が手足を切り落とされた。真美さんはガテラさんのために身に付けた技術を彼らのために活かしたいと、18年前にルワンダでガテラさんと共にNGO団体を創設。支援活動を開始した。

 団体は義肢製作工房を持ち、日本で技術を学んだ現地スタッフが義肢製作を行っている。将来的には現地のスタッフだけで運営できることを目指しているため、真美さんは最近は義肢製作から身を引いているという。団体は寄付金と政府の援助で運営しているが、それだけでは満足のいく支援ができないのが現状で、資金作りのためレストランやゲストハウスの経営も行っている。

 真美さんたちは定期的に各地を回り、無料診療と義肢の提供を行っている。1か所で100人もの患者が集まって来ても、義肢を提供できるのは5人ほど。義肢を作れなかった人たちには新しい杖を渡し、次の機会まで待ってもらう。「義肢を手に入れてうれしく帰っていく人と、作ってもらえずがっかりして帰っていく人がいる。単純によかったとは思えない」と真美さん。集まった人には最後に交通費を渡すが、それを目当てにやって来る人もいて、真美さんは「最初は“ルワンダの人のためになれば”という思いがあったが、それがことごとく崩される。でも放っておけない」と複雑な思いを明かす。

 支援活動を始めて18年。提供してきた義肢はおよそ7000本にのぼる。だが被害者の数からすると、まだまだ行き渡っていないのが現状だ。日本から支援し続けている「ルワンダレスキュー隊」については、「彼らの思い、純粋さには気づかされることも多い。初心に戻らせてくれる存在です」と真美さんはいう。

 そんな真美さんに日本から届けられたのは、ルワンダレスキュー隊からの寄せ書き。現役で活動する小学生たち、そして大人になった霜降さん、萩さんからの応援メッセージが綴られていた。真美さんは「重たいですね。また頑張ろうと思います。泣きたくなることも多いですが、そんな時にはこれを見ます」と、若い仲間たちに励まされるのだった。