過去の放送

#2549月1日(日)09:55~放送
グッと!地球便1時間スペシャル

    まず訪れるのはバンクーバー。2009年6月の放送で紹介したギター職人の川上祐介さん(41) に会いに行く。11年前に自らのブランドを立ち上げ、フルハンドメイドで作られるギターは、世界の著名なギタリストからオーダーが入るほど高く評価されている。そのギター工房で、川上さんのギター作りに密着する。板の厚さが0.1ミリ違うだけで音色が大きく変るというギター。手で板を叩いては音を確認しながらノミで少しずつ削っていく様子には、ギター好きのぐっさんも興味津々。世界が認める川上さんのギターは一体どんな音がするのか?さっそく弾かせてもらったぐっさんは、その音色に酔いしれ「一本一本の音がはっきりしてる。スゴイ!いいなぁ」とうっとり。さらにウクレレを手にしたぐっさんは、村上さんとセッションをしたり、川上さんの友人である人気ウクレレパフォーマーの演奏に、エアトランペットで参加したりと、大いに盛上がって…。

     実は川上さんの父親は日本屈指の現役ギター職人。24歳のとき父の元で修業を始めたが、そんな恵まれた環境を捨て、30歳を前に妻と共にカナダへ。偉大な父に反発しながらも、いつか追い越したいとの一心でここまで頑張ってきたという。「父は72歳の今も第一線で働いていて尊敬している。僕も出来るだけ長くこの仕事を続けたい」と川上さん。そんな先輩でありライバルでもある父から届けられたのは、2人で酒を飲むときに必ずつまみにしていたという「イカフライ」。「まだまだ職人として息子には負けない」という父の言葉に、川上さんは「父はいつも人を驚かせるギターを作ってきた。僕もそんなギターを作って、長く長く続けたい」と、父への敬意を語るのだった。

     続いては、サーモンフィッシングの聖地、カナダ・キャンベルリバーへ。2009年11月に紹介したプロのフィッシングガイド・梅村英二さん(53)に会いに行く。3歳で釣りを始め、近所の川にやってくる大人の釣り人にポイントを教えて回っていたという梅村さん。以来釣り一筋で、カナダに渡って28年。今やプロとして、どんな素人にも必ず釣らせるスゴ腕フィッシングガイドとして知られるように。そこでぐっさんも梅村さんの案内で、人生初のキングサーモン釣りに挑戦。「巨大キングサーモンが釣れるかも」という梅村さんの言葉に、期待が膨らむ。梅村さんが選んだポイントに糸をたらし途端、さっそく手応えが。銀鮭などが次々とかかり、まさに入れ食い状態で、ついには“巨大”とはいかないまでも、小ぶりだが見事なキングサーモンを釣り上げ、ぐっさんは大興奮。梅村さんの実力を目の当たりにして、すっかり感服する。

     今は家族とともに大自然に囲まれた幸せな生活を送る梅村さん。子供たちが巣立つ時期が近づくにつれ、18歳で家を出た梅村さんは、短い時間しか親子で過ごせなかったことを、親に申し訳なく思うようになったという。そんな梅村さんに、日本の母から、幼い頃に釣った鮎でよく作ってくれたというお袋の味「鮎の甘露煮」が届けられる。

     そして最後は、夢を追ってこの地でカウボーイとなった日本人との新たな出会いも。カナダ・レジャイナ郊外の牧場でカウボーイをしている糸川高史さん(39)は、東京ドーム700個分の広さの牧場をオーナーから任され、1200頭の牛を1人で管理している。カウボーイとは牛の出産に立ち会い、育て、出荷するまでを担う畜産業のプロフェッショナル。餌作りから病気の治療、避妊手術など、仕事は多岐に渡る。ぐっさんもカウボーイスタイルに変身し、馬に乗ってそんな本物のカウボーイの仕事に密着する。仲間のカウボーイと協力して、ケガをした牛を囲い込み、投げ輪で捕らえて注射をする鮮やかな技に、ぐっさんは「見ていてドキドキする。リアルカウボーイですよ!」と大興奮だ。

     大学時代に始めた乗馬がきっかけでカウボーイに憧れるようになった糸川さん。来日した牧場オーナーと出会ったことがきっかけで、妻子を連れてカナダへと渡った。両親は大反対だったというが、その父も今は亡く、母も病で寝たきりとなってしまい、「今の姿を見せたかった。両親には申し訳なかった」と糸川さんは悔やむ。そんな母から届けられたのは、牧場作業で酷使する糸川さんの体をねぎらうマッサージ器と、ビデオレター。「あの子は言い出したら聞かない子。カナダへ送り出した日は、もう手放してしまった子だと思って大泣きした」と当時の思いを明かす母。糸川さんは涙しながら「親はありがたいものですね」としみじみと語るのだった。