カンボジアのシェムリアップで、淡水魚の研究に人生をかける淡水魚研究家の佐藤智之さん(35)と、日本の両親をつなぐ。長く続いた内戦のため、淡水魚の研究がほとんど進んでいないカンボジア。日本で水族館に勤めていた智之さんは、旅行でカンボジアを訪れた際、手付かずの淡水魚の世界に心を奪われ、それまでのキャリアを捨て、2年前に妻を連れて海を渡った。目標はカンボジアの淡水魚図鑑を作ること。そのためにたった一人で魚を捕獲・収集し、調査研究を続けている。魚の調査費用はすべて自己資金。だが研究ではお金にならず、貯金を食いつぶしながらの研究生活だ。日本で美容師をしていた妻が自宅で美容院を営み、2人の生活を支えている。子供のころ、父に釣りを教えてもらったのがきっかけで魚に興味をもつようになった智之さん。「口で言うより形で証明しろと」という父に認めてもらうためにも、早く図鑑を完成させたいという。そんな智之さんに、父からある品が届けられる。