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山本隆弥(ytvアナウンサー)『山本隆弥の出発進行!!』

1世紀の歴史に幕を閉じる

7月16日は

開通当時そのままの形で1世紀あまり山陰本線を支えた

餘部鉄橋がその役割を終える日なんです。



 

全長およそ300メートル、高さおよそ40メートルを誇る餘部鉄橋。

まさに町の上空を電車が走るような景色を目にすることができます。

この立派な橋が完成したのは明治45年ですよ!

当時のお金で33万円の費用で建設されたんです。すごいですね。

日本海から吹き荒れる吹雪にも負けず、

100年近く山陰本線を見守ってきましたが、

ついに新しい橋にそのバトンを渡します!悲しいよ。





 

橋の下に行き、電車が橋を通るところを写真に収めました!

ここは一番緊張した瞬間でありました。

なんでかだって、それはだいたい1時間に1本での運行ですから。



餘部鉄橋と列車のこの組み合わせをみることはもうありません。

残念です。ショックです。

しかし、安全性や定期運行に支障が出ないようすることを考えると

餘部鉄橋の付替え工事は避けて通れない道なのだと感じます。

これが新しい橋。コンクリート製です。



 

これで、また一つ鉄道の素晴らしい車窓が消えてしまいました。

投稿者: 山本隆弥 日時: 2010年07月16日(金) | コメント (8)

きん枝さん、残念ながら・・・

7月11日、国民の判断が下されました!
そう、2010参議院議員通常選挙です。
今回、民主党・比例区から出馬した落語家、桂きん枝さんを
取材させていただきました。
知名度が抜群のきん枝さんではありますが、
比例区には他にも数多くのタレントの方々が立候補を表明し、
どの党が多く議席を獲得するのか、どの候補者が当選するのか、
全く予想のつかない、選挙区と同等の激しい戦いとなりました。
結果は惜しくも落選という結果になってしまいましたが、
取材を通してみることができたきん枝さんの有権者と
力強い握手を交わしている姿、街中で演説をしている姿が
今でも僕の記憶に鮮明に残っています。
多くのスタッフに支えられ、
大きな集団が結束し、当選という一つの目標に向かって
一致団結している姿がとても凛々しかったです。

比例区は全国区であるにもかかわらず、
関西2府4県を中心にまわったきん枝さん。
多くの人々を魅了させる水上ボートからの遊説は
とても印象的でした。川の上での演説は大阪では初の試みであり、
吉本興業所属、40年の芸能生活で築いた仲間の絆は
とても強いものだと改めて遊説をみて感じました。
大平サブローさん、池乃めだかさんなどが、この水上演説に駆け付け、きん枝さんをサポートしていました。
大企業や組合からの援助を
何も受けていないと主張するきん枝さんは、
無党派層の票を獲得するべく心斎橋筋商店街や千日前商店街など、
長い距離を車を使わず、練り歩くのですが、
多くの有権者がきん枝さんの傍に寄り、
握手や写真を求めてくるのです。
ビラを受け取り、
満面の笑みで満足そうに帰っていく姿をよくみました。
しかし、近くにいた有権者の方々にインタビューしてみると
意外な答えが返ってきました。
「きん枝さんが出馬していることを初めて知った」、
「有名人に会えた。嬉しい」など、
直接票に結びついているのか疑問に思う返答でした。

子どもが二人いるきん枝さんが遊説で主に訴えていたことは、
子育て支援と福祉の充実でした。
子どもからお年寄りまで安心して
暮らすことのできる社会の実現を目指し、
保育園や保育園の整備、税金のばら撒きともいえる
子ども手当ての見直し、介護保険の負担軽減などを
熱く有権者に訴えていました。
演説時間も7分と短い時間の演説もありましたが、
私たちの生活に直接結びつく問題ばかりだったため、
聞き入ってしまう演説内容でした。

いよいよ投開票の日。
僕たちは選挙番組が始まる約2時間前に
きん枝さんの事務所に到着しました。
テレビ各局のカメラが中央に設置された
ステージに向けられ、上の階に上がると、
何台ものカメラが設置されていました。
きん枝さんの事務所だけでも13人のスタッフ.






そして時計を確認すると、
すでに8時。「NEWS ZERO」のオープニング直後に
出口調査が発表された瞬間、会場内が一瞬響動めきました。
民主党が議席を減らし、
自民党が上回っているという調査結果でした。
比例区では党の得票数で議席が配分されるため、
きん枝さんの結果に影響が出る可能性があると誰もが感じましたが、
その後、きん枝さんは当確が出ることを信じ、
読売テレビの選挙特番の中継に2回に出演、
他局の中継も含め5回ほど出演。
テレビで頑張っている後輩の芸人の方々が
モニターに映るとそれまでの厳しい表情が緩み、
テレビでみるいつもの優しい表情になっていました。
特に東京のスタジオにいる島田紳助さんとの掛け合いの時にみせた
表情は疲れが一瞬抜けたような、幸せそうな笑みを
浮かべていました。
まるで僕がセリーヌ・ディオンさんや松田聖子さんのDVD映像、
鉄道写真をみている時のような表情でしょうか。(笑) 
しかし、癒しの時間も束の間、開票して30分後、
日本テレビの民主・比例区の出口調査で
当確ライン内にきん枝さんの名前が入っていないことが報じられ、
またその後深夜3時15分のNHKの出口調査でも27位と
順位が上がっていないことが判明しました。
マスコミ側と事務所の広報の方と協議し、
どこで勝敗を決めるか、慎重に協議されました。
きん枝さんが多くの票を得ている可能性がある
兵庫と大阪の開票がまだ進んでいないことや、
比例区のため翌朝の6時や7時に当選することもありますし、
自民・比例で出馬した三原じゅん子さんも
深夜3時35分に当選情報が入ったため、
一縷の望みを信じ、待ち続けました。
しかし、午後8時の開票から8時間後の12日午前4時。
落選がほぼ確定し、会見を行うことになりました。
朝4時にもかかわらず、50人以上の支援者が事務所に集まり、
きん枝さんの労を労いました。
落選の結果が出てからの支援者への最後の挨拶と記者会見、
みていて心苦しいものを感じましたが、涙を流すこともなく、
疲れを見せずに最後まで謙虚な姿勢で質問に答えている
きん枝さんの姿に感銘を受けました。

確かに大企業などの団体、組合からの支援を受け、
組織票を固める手法は当選するための有効な手段もありますが、
きん枝さんのように何も支援を受けず、
選挙活動を行っていくことも素晴らしいことだと感じました。
まさにきん枝さんが掲げたスローガン
「身近な事からコツコツと・・・」。
それが大阪での得票数1位に結びついたのだと思います。
きん枝さんの取材を振り返ると、
僕もアナウンサーとして
吸収しなければならないことがあったのだと、痛感。

投稿者: 山本隆弥 日時: 2010年07月12日(月) | コメント (2)

アナウンサー