「巨人キャンプへ」
巨人のキャンプ地、沖縄・那覇セルラースタジアムに取材に行って来ました。
初日は小雨まじりの中、巨人と韓国・サムスンとの練習試合。
さすが、日本と韓国を代表するチャンピオンチームの対戦です。練習試合とは思えない素晴らしい試合内容で、最後まで目が離せませんでした。
それにしても巨人の選手層の厚さには驚きます。WBCメンバーの主力選手が不在の中、レギュラーポジション獲りを狙う選手、開幕一軍枠を狙う選手がひしめき合っています。スターティングメンバーを見ると、他球団なら開幕スタメンに名を連ねていてもおかしくない顔ぶれ。
巨人OBの水野雄仁さんも「巨人は2チーム組めるほど選手層が厚い。開幕一軍生き残りの争いは熾烈!」と話されていました。
試合は、3−2で巨人の勝利。
この日の注目は決勝点となった3点目の得点。先頭打者ルーキーの大累進がセンター前ヒット。続く藤村大介が1・2塁間を破るライト前ヒットで、無死1・3塁。大田泰示の犠牲フライできっちりと得点を挙げるという理想的な攻撃でした。
開幕一軍を狙う控え組の選手達が、その場その場で求められている仕事をしっかりとこなしていく。
主力組の調子が落ちることや、主力組で得点を奪えない試合は長いシーズンの中で幾らでも出てきます。控え組がこういう仕事をきっちりしていくと、苦しい展開の試合も白星に繋げることが出来るでしょう。
「WBC組が戻るまで、今いる選手達の競争が続く」と原辰徳監督は話します。
そして取材2日目は阪神との練習試合。WBCメンバー不在ではありますが、今シーズン初の伝統の一戦が行われました。スタンドはプロ野球ファンの皆さんでいっぱいです。
2回先頭打者、新外国人選手コンラッドの四球を足掛かりに、続く野原将志がタイムリー2ベースヒット。その後、相手エラーや大和のタイムリーヒットでの3得点。4−2で阪神が勝ちました。初回に1点を先制されたものの電光石火の逆転劇です。
和田豊監督は、四球で出塁したコンラッドに関して「低目のボール球をしっかり見極める選球眼がある。これが判ったことは大きな収穫。」と振り返りました。少しずつ指揮官の信頼を得ていく新外国人コンラッド。開幕戦の打順は何番に起用されるんでしょうか。
この攻撃の中に、上本博紀と大和の盗塁が絡んだことも和田監督は評価していました。「盗塁だけでなく、走者として全てのランナーが一つ先の塁を狙う姿勢をこれからも徹底していきたい。」と、和田監督が目指す野球も形となって現れ始めています。
また先発した小嶋達也投手は4イニングを1失点。登板後、代表インタビューをさせてもらいましたが、「初回に1点を失ったことは反省。無駄な四球があり、それが自分のリズムもチームのリズムも悪くしてしまう。次回登板は、立ち上がりからしっかり投げていきたい。」と課題を挙げていました。
阪神の開幕ローテーション投手6人は、能見篤史・岩田稔・メッセンジャー・スタンリッジの4人がほぼ確定。ここに大物ルーキーの藤浪晋太郎も入り、残るはあと1枠。小嶋にも十分可能性はあると思います。
最後に和田監督は「巨人は倒していかなければならないチーム。練習試合とはいえ今日の勝利には意味がある。」と話し、今年最初の巨人からの勝利に手応えを感じたようです。
たった2日間の巨人キャンプ取材でしたが、改めて「巨人恐るべし」の印象を強烈に受けました。
セリーグ他5球団が“対巨人”を念頭に置いた戦い方を中心にしていかなければならないのでは・・・と感じました。それ程巨人の戦力は充実しています。
土曜日からはいよいよ、開幕までのスタメン争いが本格化していくオープン戦が始まります!