「松井の美学」
松井秀喜が20年の現役生活にピリオドを打ちました。
名立たるホームランバッターをも苦しめる甲子園球場の浜風も、松井に掛かれば何のその!右中間スタンドへ豪快にホームランを放り込む姿はあっぱれでした。
松井攻略の為に、「松井キラー」と呼ばれる“左のワンポントピッチャー”というポジションも出来たぐらいです。
「史上最強のホームランバッター」と言っても過言ではないでしょう。
松井の素晴らしさは野球だけではありません。これ程謙虚で、周囲を気遣うスーパースターはいないでしょう。
全国高校サッカー選手権で、私が星稜高校の初の準決勝を実況した際には、母校の星稜イレブンへの応援メッセージを預かりました。確か「大舞台に立つ喜びを感じて楽しんで下さい。応援には行けませんが、みんなの頑張りに期待しています。」という様な内容だったでしょうか。それを伝えたところ、選手達は大喜びでした。
2002年メジャーへの挑戦を表明した時も、最初に口にしたのはファンへの謝罪。「僕のわがままで申し訳ない。裏切り者と言われるかもしれないが、いつか『メジャーに行ってよかったな』と言ってもらえるように頑張りたい。決断した以上は命を懸けたい。」
ファンへのその気持ちをしっかりプレーで返してくれました。
世界中の憧れ、ニューヨーク・ヤンキースと契約、デビュー戦となる2003年の開幕戦ではいきなり挨拶代わりの満塁ホームランを放ち、しっかりとレギュラーの座を掴み、クリーンアップにも定着。2006年以降は怪我にも悩まされましたが、2009年のワールドシリーズでは3本塁打、8打点という大活躍でチームを9年ぶりの世界一へと導き、シリーズMVPも獲得しました。日本人のホームランバッターがメジャーで通用するということを世界中に知らしめました。
私もNYのヤンキー・スタジアムに松井の応援に行きました。
「ヒデーキ!ヒデーキ!」と地元のニューヨーカー達も熱心に松井を応援していて、同じ日本人であることを誇らしく思ったものです。
巨人の不動の4番として、世界一のヤンキースの主軸選手として私達に見せてくれた姿を、誰もが忘れないでしょう。私も目に、心にしっかりと焼き付いています。
38歳、まだやれるという声もありますが、これが松井の美学。本当に沢山の夢と感動を有難うございました。
さて明日15:50~は、先日行われた“阪神X巨人OB戦”が放送されます。将来松井さんにも是非出てもらいたいです。
そして年末年始は勿論“高校サッカー選手権大会”で、良いお年をお迎え下さい!!