「アニキ、引退・・・」
金本知憲選手がバットを置く日が近いことは、阪神ファンの誰もが覚悟していたこと。とは言え、実際にその日が訪れると何とも言えない寂しさが胸に込みあげてきました。
会見場、記者やアナウンサーから多くの質問が浴びせられる中、金本選手は一つ一つの質問に丁寧に答えていました。私は金本選手に一つだけ質問を投げかけました。
「金本選手の仕事はもちろん野球なのですが、人生そのものであるとおっしゃる野球を、仕事として割り切って考えたことはあったのですか?」
「あります。好きな野球ですが、好きなだけでやっていては乗り越えられないこともありました。‘これは自分の仕事なんだから・・・’そう思えばやらざるを得ません。ただ好きなだけでやっていたら厳しいトレーニングも途中で止めてしまっていたでしょうね。」
球史に数々の記録を打ち立ててきた金本選手でさえ、野球が好きという思いだけではここまで継続することは出来なかったのでしょう。特に肩を故障したここ3年間はどうにもならない苦しみと闘っていたはずです。
「もっと練習していればもっと良い数字が出せたんじゃないかという悔いもあるが、ホッとしたという気持ちが大部分」と言う言葉の通り、記者会見に臨む金本選手の表情はとても晴れ晴れとしていた様に見えました。
しかし、これだけの数字を残しながらまだ納得が行っていないとはやっぱり金本選手は器が違います・・・。
金本選手の闘う姿、本当にかっこ良かったです!!同じフィールドで金本選手と仕事させてもらったことを心から幸せに思います。21年間本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。
昨夏インタビューさせてもらった時に、「プロに限らず、社会人や大学の監督も含め、“監督”と付くポジションをやってみたいです。」と将来について話された金本選手。
ファンの一人として、再びユニフォームを着て甲子園に戻って来てくれるのを楽しみに待っています。
今季の最終戦まで阪神ナインと共に戦い抜くということなので、最後の日まで金本選手の勇姿を目に焼き付けたいと思います!!