「日本完敗・・・」
ミズノオープンの翌週、長崎県で第4回日韓男子プロゴルフ対抗戦“ミリオンヤードカップ”が行われました。
2004年の第1回大会は韓国の江原道(カンウォンド)で開催され、プレーオフまでもつれ込む大接戦でしたが、韓国チームが勝利。
第2回大会は2010年。6年ぶりに韓国・済州島でこの対抗戦が復活し、日本チームが僅差で勝利。1回大会のリベンジを果たしました。
昨年の第3回大会は韓国・釜山近郊で開催され、ベストメンバーで前年のリベンジに挑んだ韓国チームが勝利。またこの3回大会から大会のより一層の発展や日韓友好の願いを込めて、大会公式名称が“ミリオンヤードカップ”とされました。
今年は初の日本開催となり、ホームで雪辱を果たそうという日本チームに大きな期待が寄せられましたが、結果は韓国チームの完勝・・・。
下馬評は日本有利でした。大会前、韓国チームは地元韓国のメディアにも“今年は歯抜けのチーム”と報じられた程だそうで、実際に両チームの出場選手個人の世界ランクを考えても、圧倒的に日本チームの方が条件が整っていると思われていました。
では何故韓国チームがアウェイの日本で完勝を収めたのか。
試合内容は割愛しますが、テレビ解説の牧野裕プロも話していた通り、ダブルス戦で韓国チームに主導権を握られてしまったことが日本チームの表面的な敗因でしょう。
このダブルス戦の惨敗にはコンビとのゴルフスタイルや性格などの相性が多少影響したかもしれませんが、私はもっと根本的なところに原因がある様な気がします。
韓国チームは、火曜日の夜にメンバー全員が集合して決起集会を行い、翌水曜日の朝9時には雨の降る中全員で練習ラウンドを開始したそうです。
一方の日本チームは私の知る限り、火曜日にメンバー全員が長崎入りしている状況ではありませんでした。選手個人のスケジュールもあるのでしょうが、韓国チームが全員で練習を始めた時間に、まだ長崎に着いていない選手もいましたから。
私は6年ぶりに復帰した2010年の第2回大会を済州島で取材しましたが、その時は異国の地での日韓戦の復活ということで、日本チームの団結も強かった様に思います。
今回地元開催ということが逆にチームに油断を作ってしまったのかもしれません。
ゴルフは個人競技だから、ベストメンバーが揃って選手個人がそれぞれベストなプレーをすれば勝てるのではないかと思われがちですが、個人競技とは言え団体戦ではチームの結束力が一番重要な要素になってきます。
私も学生時代の団体戦で、チームワークの大切さを嫌という程実感してきています。
今回、チーム始動の段階で日本チームが韓国チームに遅れをとっていたことは明らかです。
韓国文化は日本文化よりも家族的な意識が非常に強い国民性で、日本ツアーでも先輩後輩が家族の様にお互いを助け合いながら常に一緒に行動しています。
そもそもの仲間意識に大きな差があるにも関わらず、試合に臨むスタートでも遅れをとっていては、いくら個々の技量で大きく上回っていても勝てるわけがありません。
せっかく一年に一度この様な素晴らしい大会が開かれるのですから、この大会や日韓のゴルフ界の更なる発展の為にも、来年は是非日本チームの本当の強さ、日本チームはこんなもんじゃない!というところを見せて欲しいです!!