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小澤昭博(ytvアナウンサー)『小澤昭博のゴルフナビ』

「東北取材」

先日、雪の東北へ高校サッカーの取材に行って来ました。

まず青森県代表の青森山田高校へ。

青森山田高校は1997年から15回連続17回目の出場を誇り、2009年度には全国準優勝という強豪校。

青森には既に沢山の雪が積もっていました。



思うような練習メニューが組めない環境の中にありながら、このハンディを乗り越えて全国の強豪へとチームを導いた黒田剛監督の情熱はさすがです。

青森山田が初めて選手権全国大会ベスト4入りを果たした2000年度の大会で、私はその準決勝戦の実況を担当しました。

あの時選手としてプレーしていた千葉くんがコーチとして母校に戻っていて、時の流れの速さを感じました。

翌日は岩手県代表の盛岡商業高校へ。盛岡商業も5年ぶり16回目の出場という強豪校。





盛岡商業は2006年度大会で、岩手県勢として初の全国制覇を成し遂げました。その時チームを率いていた齋藤重信監督は今年から総監督に、かつて盛岡商業でキャプテンを務めていた太田浩史さんがコーチから監督に昇格して全国大会に挑みます。

盛岡商業の選手達も雪がちらつく氷点下の中、元気にグラウンドを駆け回っていました。

太田監督は3月11日に発生した東日本大震災で、最愛の母を津波で亡くされたのですが、その際の状況、心境を克明にお話して下さいました。

「この被害を風化させない為にも、私の体験を語ることが使命だと思って。」

この気持ちになるまでには時間が必要だったようですが、目に涙をためながらもその涙をこぼさないよう必死にこらえながら話して下さる様子に、改めて伝え手としての責任の重さをひしひしと感じました。

取材後、テレビ岩手の高校サッカー中継スタッフと。



そして宮城県代表の聖和学園高校の取材もさせてもらいました。

ここにも家族を津波で亡くした選手がいました。それでも皆、前向きにボールを追っていました。

チームを率いる加見成司監督は、選手と一緒に津波で流されてしまった彼らの自宅地域を自転車で回り、「しばらく呆然と立ち尽くしてしまいました。」とやはり目には涙を浮かべながらも、

「彼らがこれまでやってきたサッカーを全国大会の舞台で100%表現できるよう万全の準備をしていきたい。」と強い決意で初出場の舞台にあがります。

各チームが、それぞれに抱えている背景、様々な思いを持って年末の東京に集結します。

開幕まであと3日、より良い中継が出来る様に、私も精一杯努力して90回大会を迎えたいと思います!

日時: 2011年12月27日(火) |

アナウンサー