「新湊VS龍谷大平安」
連日熱い闘いが繰り広げられている高校野球。
先日甲子園に、富山県代表の新湊高校VS京都府代表の龍谷大平安高校の一戦を観に行って来ました。
公立高校の新湊は、県大会ではノーシードから勝ち上って夏は12年ぶり、春夏通算7回目の出場。
一方の平安は、夏は3度の全国制覇。春夏通算67回の甲子園最多出場回数を誇り、OBには西武の銀仁朗、広島の赤松真人、阪神の桧山進次郎など数々のプロ野球選手を輩出している伝統校。
下馬評では甲子園常連の平安が圧倒的に有利でした。
しかし新湊は何か持っています。86年の春の大会では、無名校ながら次々と優勝候補を倒しベスト4まで進むというミラクルで、甲子園に“新湊旋風”を巻き起こしたことを覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今回もエースの袴谷圭汰とそれをフォローするキャッチャーの沢田快人選手を中心に、全員野球を展開。強豪の平安を相手に8回まで1−1の緊迫した試合が続きましたが、8回遂に新湊が均衡を破って勝ち越し4−1で平安に勝利。
試合の主導権は平安が握っていましたが、度重なるピンチを凌ぐ新湊が少しずつ流れを手繰り寄せ、勝利をものにしたという形でした。全員で守り抜いての勝利といっていいでしょう。
平安は4番の高橋大樹選手のバッティングに度肝を抜かれました。第一打席のバットスイングの速さをみて「この選手は間違いなく大きな仕事をやってのける!」という期待感を持たせてくれました。案の定、レフトへの同点ホームランはスタンド中断に突き刺さる一発となりました。プロ入りも十分あり得る逸材だと思います。
実は、エースでキャプテンの袴谷選手のお父さんも、新湊高校野球部のキャプテン&4番バッターとして80年に夏の甲子園に出場しています。現・新湊高校野球部の森監督とは同級生で、4番とエースとして甲子園に出場したチームメイトだったそうです。
残念ながら少年野球で監督をされていたお父さんは、4年前に御病気で急死されたそうですが、新湊ナインは「袴谷選手のお父さんが一緒に付いていてくれる」という気持ちで甲子園に来たとか。
試合後袴谷選手は「父の出来なかった1勝を自分が出来て嬉しい。何処かで見ててくれると思う。“勝ったよ”と報告したい。」と話しました。
その後新湊は東洋大姫路に敗れましたが、敗退したどのチームにとっても甲子園での経験は人生の宝物になると思います。
溌剌とグランドを駆けまわる球児達の姿を観て、年末年始の高校サッカーとも重なり胸が熱くなりました。高校生達のひたむきな姿からまた力を貰いました。
残るは準決勝と決勝です。最後まで球児達の熱戦を期待します!