“THE OPEN”観戦記3
ようやく観戦レポートです。
まずは天候に関して。
色々な関係者の方から「全英は天候が変わりやすい」とか「一日の中に四季がある」とか聞いていましたが、強烈な風雨は想像以上でした。
私は持ち運びやすいようにと折り畳み傘を持参しましたが、これは気休めにしかなりませんでした。
強風にあおられ、傘の骨が逆向きに反り返り全く傘の役目を成しません。日本でいう台風のような吹き荒れぶりです。強風に乗り叩きつけるような雨粒が直接体に吹き付けてきます。
気温15度前後の中、頭から足元まで全身すぶ濡れになり、濡れた体がすっかり冷えてぶるぶる震えながらの観戦になりました。
しかし、地元ギャラリーの方には驚きました。
イギリス人は少々の雨では傘をささずに街中を歩くとは聞いていましたが、全英オープンのこの状況でも傘をささずにコースを歩いている人が多数います。
さらに強者は、びしょ濡れのギャラリーシートに傘もささずに腰掛け、ずぶ濡れになりながらビールとフィッシュ&チップスを食べています。
そしてその風は、いま海から吹いていたかと思えば、次の瞬間には逆方向の海に向かって吹いているような状況。
瞬時に風の向きが逆になることもめずらしくありません。選手達もその都度慎重に風の向きを読まなければいけません。
次にコースについてですが、そこには今まで目にしたことがない光景が広がっていました。
見渡せばそこはゴルフコースではなく、草の生い茂ったでこぼこの“草原”です。
ティーグラウンドはあるのですが、その先は暫く背の高いラフと言うより“草むら”が続いています。
その草むらの先にでこぼこにうねった狭いフェアウェイとグリーンが待っています。勿論その両サイドも草むら。平らで広いフェアウェイなどはどのホールでも皆無です。
正に“過酷”の一言。
「自然のままの地形とあるがままの気候の下でこそゴルファーの腕が試される」というコンセプトの通り、プレーヤーは原点に立ち還り、自然や気候と共存しながらプレーしなければなりません。
私は「こんな過酷な環境の中で、ゴルフが出来るものなのか?」と思いましたが、やはり世界のトッププレーヤー達は何のその。随所に素晴らしいプレーが見られました。
次回はそのプレーヤー達について・・・。