「寺原の執念」
東京ドームで行われた巨人-オリックス戦にオリックスのベンチリポーターで行って来ました。
第1戦から手に汗握る総力戦となり、延長10回にオリックスが勝ち越しに成功、まず先勝しました。
第2戦は巨人ドラフト1位ルーキー澤村拓一と、今シーズントレードでオリックス入りした10年目の寺原隼人の素晴らしい投手戦。
共に150キロを超えるストレートを武器にする剛球投手の投げ合いは、年に一度あるかないかの好ゲームとなりました。
寺原は初回に1点を許したものの、4回に味方が追い付き1-1の同点に。両投手が互いに譲らず澤村が7回100球で途中降板。そのまま1-1で迎えた9回表のオリックスの攻撃、ツーアウト・ランナー無しで打順は投手の寺原。
寺原の投球数が100球を優に超えていたことを考えても、得点を挙げる為には野手の代打を送るのがセオリーの中、岡田監督は動かずに寺原を打席に送りました。
思いもよらない続投に球場の観衆からはどよめきが起こりました。
打席に立つことですら驚きなのに、寺原は球を見送るどころか果敢にバットを振っていきます。粘りに粘った結果、9球目でフォアボールを選び出塁しました。
寺原の「何としてでも勝ちたい」という姿がベンチから見守っていた仲間の心を動かしました。
寺原の気持ちに応えるかのように次の坂口智隆がヒットで続き、そして代打の山崎浩司がスリーランを放って勝ち越し。寺原が133球を投げ切って見事な完投勝利を飾りました!!
チームリーダーの北川博敏は「寺原は、三振して次のピッチングに体力を温存してもいい場面。それなのに1球ごとに寺原の集中力が高まっていくのがベンチからでも分かった。寺原の執念がチームの皆に伝わった。」と興奮気味に振り返っていました。
リポーターの私も大興奮です!!
この寺原の勝ちへの執念が、低迷しているチームの必ずや発奮材料となることを期待しています。