「統一球と阪神の課題」
阪神の今シーズン最大の課題、それは「守り」でしょう。
これまで公式戦で使用する球は球団によって違いましたが、使用するボールが異なることで公平性が損なわれる点や、国際試合の度に選手達がボールの仕様が違うことによって違和感を持つことから、今シーズンから、全12球団が規格の同じ統一球を使用して試合を行うことになりました。
統一球は国際試合や大リーグで使われるボールとほぼ同じ仕様。
年々打球の飛距離が伸びており、更にドーム球場などでは気圧の関係もあってか面白いほどホームランが飛び出し、投手受難の時代とも言われていました。
しかし、統一球は縫い目の幅が1ミリ広がり、縫い目の高さは0.2ミリ低くなり、ゴム芯は低反発素材に変更。その結果、選手達からは「今までより飛ばなくなった。押し込まれる感じがある。」との声がほとんどで、実際に検証を行った所、ジャストミートしても従来球に比べると約1メートル飛距離が落ちるということで、これまでとは変化が見られるとは必至です。
この1メートルの差はあくまでデータ上のものですが、これがどう影響するかというと、打者への影響は勿論ですが、一番懸念されるのは、外野手のポジショニングや打球への反応です。
飛距離が落ちるからと前にポジションを取れば、頭上を抜かれる可能性が増えますし、1人の外野手がカバーしなければならないエリアが増えることになります。
飛距離が1メートルも変われば、当然これまでよりホームランになる打球が減るわけですから、外野手の守備力がそのまま試合の勝敗に直結する試合も増えてくるでしょう。外野手の守備力が今までよりもっと必要とされます。
昨シーズン、スパイダーキャッチなどでゴールデングラブ賞を受賞した広島の名外野手・赤松選手は「外野手の見せ場が増える!」とワクワクしているとか。
一方、私がこの沖縄キャンプで確信した阪神の外野手はライトのマートンのみ。
他球団の外野陣にヒケをとらない守備が出来、「ワクワクしている」と言えるようなメンバーが確立されることが理想ですが、まずはこの高知キャンプからオープン戦を通して3人の外野手の名前を確定させることが、開幕までの最大の課題だと私は思います。